「山では涼しいから大丈夫」——そう思っていませんか?
初夏登山(5月〜6月)は、一見快適でも注意すべきリスクが多い季節です。
気温はまだ夏本番ほど高くなく、新緑が美しく、歩きやすいように感じる。
でも実は、熱中症・紫外線・虫・汗による体冷えという4つの落とし穴が潜んでいます。
私自身も登山を始めた頃、初夏に熱中症と虫被害を経験しています。
一つは中国山地の 蒜山。上蒜山の山頂付近で、目の前がクラクラしてダウンしました。大事には至りませんでしたが、真夏日に迫る気温が、暑さに慣れていない体に大きく影響したと感じています。
もう一つは6月の 寂地山。アブやブユ(ブヨ・ブト)に襲われ、ほとんど登山を楽しめなかった苦い経験です。
「事前に知っていれば防げた」——そう強く感じた出来事でした。
この記事では、登山歴10年のあっくんが実体験をもとに、初夏登山で絶対に押さえておきたい4大対策と、初心者でもすぐ実践できる対策と装備をまとめました。
ぜひ最後まで読んで、安全で快適な初夏の山を楽しんでください!
初夏登山の4大リスクとは?【5月〜6月は要注意】

5月中旬〜6月は、快適な登山シーズンです。
でも実はこの時期、4つのリスクが同時に忍び寄ってきます。
- 熱中症:日陰に入ると涼しく感じるため、体が限界に近づいていることに気づかない
- 紫外線:標高が100m上がるごとに紫外線量が1〜2%増加。1500mの山では平地より30%近く強い
- 虫:ブユ(ブヨ・ブト)・マダニ・ハチが5月後半から本格活動。咬まれると炎症やアナフィラキシーのリスクも
- 汗による体冷え:大量に汗をかいたウェアが、稜線の風で急速に体を冷やす
一つ一つは対策できるリスクです。知っているだけで山の安全は大きく変わります。順番に解説していきましょう。
初夏登山の熱中症対策(原因と防ぎ方)
暑熱順化(しょねつじゅんか)とは?

真夏(7〜8月)の登山では「暑い=危険」と誰でも意識します。ところが初夏は違います。
体がまだ暑さに慣れていない(暑熱順化ができていない)状態で、いきなり登山の負荷をかけてしまうことが熱中症の最大の原因です。
実は、5〜6月は登山中の熱中症事故が急増する時期。
体は一般的に、気温の高い環境に2週間程度繰り返し晒されることで「暑さへの適応(暑熱順化)」が進みます。5月初旬に急に暑くなった週末に山へ行くのは、特にリスクが高いのです。
- ペースを平地の8割程度に落として歩く(特に登り始めの1時間)
- 1時間に1回は必ず休憩。日陰で体を冷やす
- 首や手首に冷感タオルを巻いて、体温の急上昇を防ぐ
- 前日の睡眠・体調管理を徹底する(寝不足は熱中症リスクを高める)
正しい水分補給

登山中の汗の量は、条件によって1時間あたり500ml〜1Lにもなります。
「喉が渇いた」と感じた時点では、すでに体重の1〜2%の水分が失われており、集中力低下・判断力の鈍化が始まっています。
特に初夏は爽やかな風が吹いているため「汗をあまりかいていない」と感じやすく、気づかないうちに脱水が進んでいることがあります。
「のどが渇く前に飲む」——これが山での水分補給の絶対ルールです。
- 1時間あたり200〜300mlを目安に。30分タイマーで飲む習慣をつける
- 水だけでなく、スポーツドリンクや塩分タブレットでミネラルも補給
- 行動食に梅干し・塩昆布・ナッツを持参(ナトリウム・カリウム補給に効果的)
- 持参水分量の目安:歩行予定時間(時間)× 300ml + 予備500ml
服装とペース管理

初夏は朝晩冷えるため、厚手のウェアで出発する人が多いです。でも歩き始めると体温が急上昇します。着込んだまま歩き続けると熱がこもって危険です。
- 「歩いたらすぐ暑い」と思ったら迷わず1枚脱ぐ。こまめな体温調節が基本
- 速乾性・通気性の高いウェアを選ぶ(コットンは汗で張り付いて体冷えの原因に)
- 日差しが強い時間帯(10時〜14時)は意識して休憩を増やす
- 熱中症のサイン(頭痛・吐き気・ふらつき・異常な疲労感)を感じたら、すぐに日陰で休み、水分と塩分を補給。改善しなければ下山を検討する
初夏登山の日焼け対策(紫外線は想像以上)
紫外線が強い理由

標高が100m上がるごとに紫外線量は約1〜2%増加します。1500mの山なら平地より15〜30%も紫外線が強く、晴れた5月の稜線は真夏のビーチに近い紫外線量になることも。「曇りだから大丈夫」は禁物——雲でも紫外線は9割以上通過します。
必須アイテム(日焼け止め・サングラスなど)
- 日焼け止め(SPF50+・PA++++):2〜3時間ごとに塗り直しを忘れずに。汗に強いウォータープルーフタイプが必須
- UVカットアームカバー:日焼け止めの塗り直しが不要で、腕全体を守れる。速乾素材がおすすめ
- UVカットサングラス:目の紫外線ダメージは翌日以降に疲労感・かすみ目として現れる。偏光レンズなら岩場の照り返しも防げる
- つば広ハット or フード付きウェア:首・耳・頭皮の日焼けも防ぐ。帽子は風で飛ばされないよう顎紐付きが安心
【日焼け止め】登山では“塗り直しやすさ”が最重要です👇
汗をかく山では、手を汚さずサッと塗り直せるスティックタイプがかなり使いやすいです。
自分も稜線で日焼け止めを塗り直さずに歩いたら、顔が真っ赤になってヒリヒリした経験があります。
これに変えてからは、塗り直しのストレスがなくなりました。

初夏登山の虫対策(ブユ・マダニ対策)

ブユ(ブヨ・ブト)・ハチ・アブ・マダニ——5月後半から山の虫は本格的に活動を始めます。特にブユは小さいのに咬まれると激しく腫れ、マダニはSFTS(重症熱性血小板減少症候群)などの感染症リスクも。沢沿いや樹林帯では特に注意が必要です。
- 虫除けスプレー(ディート or イカリジン成分):ディートは効果が高いが肌が弱い人はイカリジンがおすすめ。出発前と休憩ごとに塗布
- 長袖・長ズボン(速乾素材):肌の露出を減らすことが最も確実な虫刺され対策。薄手の速乾素材なら暑さも防ぎやすい
- ゲイター(スパッツ):マダニは草むらや地面付近に潜む。足元を覆うゲイターは必須アイテム
- 帰宅後の全身チェック:下山後はマダニが食いついていないか必ず確認を。脱衣後すぐにシャワーが理想
【虫除け】ブユ(ブヨ・ブト)対策で一番効果を感じたのがこれ👇
イカリジン配合で肌に優しく、長時間の山行でも安心して使えます。
強力な虫よけは匂いがきついのもありますが、これはいい香りで肌にも優しいので🙆
実際にブユ被害を経験してからは、これを必ず持つようにしています。
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初夏登山の汗・体冷え対策

登りで大量にかいた汗が、稜線の風で急速に体を冷やします。特に山頂や稜線では風が強く、濡れたウェアを着たまま休憩すると体感温度が一気に下がり、低体温症リスクも高まります。
- ベースレイヤー(速乾・吸汗):ウールやポリエステル系の素材が吸汗速乾に優れる。コットンは汗で濡れると体を冷やすのでNG
- 着替え用のドライシャツ:稜線や山頂で休憩する際に着替えると体冷えを大幅に防げる。ジップロック袋に入れてザックに忍ばせておくと便利
- ウインドブレーカー:薄くてコンパクトなのに、風を遮るだけで体感温度が大きく変わる。必ずザックに入れておくこと
- 冷感タオル:汗を拭くだけでなく、濡らして首に巻けば体温調節にも活躍。登りの体温管理にも◎
【ベースレイヤー】初夏登山はメリノより速乾重視👇
汗をかいてもすぐ乾くドライ素材なら、稜線でも体が冷えにくく快適です。
ロングスリーブなら日焼け対策にも◎。

まとめ|初夏登山のチェックリスト
初夏の山は、準備さえ整えれば1年の中で最も美しく、最も歩きやすい季節のひとつです。新緑の中を歩くあの爽快感は、きっとあなたの忘れられない体験になるはずです。
出発前に、以下のリストで確認してみてください。
- ✅️ 水分は「歩行時間 × 300ml + 予備500ml」分を用意した
- ✅️ 塩分タブレットorスポーツドリンクを持参した
- ✅️ 速乾ウェア+替えのドライシャツを準備した
- ✅️ ウインドブレーカーをザックに入れた
- ✅️ SPF50+の日焼け止め+UVカットアームカバーを用意した
- ✅️ UVカットサングラスをかけた
- ✅️ 虫除けスプレーを塗った(出発前+休憩ごとに)
- ✅️ 長袖・長ズボン+ゲイターで肌の露出を最小にした
- ✅️ ペースを落とし、30分に1回水分補給する計画を立てた
知っているだけで防げるリスクがある。それが山の安全の第一歩です。
このブログでは、山梨在住・登山歴10年のあっくんが、初心者の方でも安全に登山を楽しめる情報を毎週発信しています。ぜひ他の記事もチェックしてみてください!

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