【北アルプステント泊】蓮華温泉から行くお花畑トレイル・白馬岳〜雪倉岳〜朝日岳_2泊3日

登山日記

みなさんは7月末〜8月上旬の白馬岳に行かれたことはありますか?
この時期の白馬岳はたくさんの高山植物で賑わい、まさに百花繚乱
そんな白馬岳から北に進路を取り、雪倉岳〜朝日岳に至るまでの稜線は、飽きることのないお花畑トレイルです。
ずっと花・花・花・・
お花でお腹いっぱいになるほどの満足感が味わえます。

今回は私が以前に行った、白馬岳〜雪倉岳〜朝日岳の山行をリポートします。
天気にも恵まれ、花にも恵まれました。

そして私は思いました。「眼福とはこのことか」と。笑

お花好きの方はもちろん、そうでない方も一度は行ってほしいルートです。
ぜひ最後までお読みいただき、あなたの行きたい山リストに加えてください!

白馬岳〜雪倉岳〜朝日岳|良いところ・大変なところ

このルートの良い点大変な点を率直にお伝えします。

良かったところ

天空のお花畑を楽しめる
・雪倉岳〜朝日岳は、白馬岳ほど混雑していない
 →白馬岳の混雑度が10ならば、雪倉岳・朝日岳は2です。(個人的見解です)
百名山、二百名山、三百名山を一気に踏破できる
・天気次第で白馬岳・朝日岳からご来光を楽しめる
朝日小屋泊の場合、最高のポスピタリティと美味しい山ごはんが味わえる
雷鳥に会えるチャンス大
・下山のご褒美には蓮華温泉でゆったりできる
・山行が終わったら至極の達成感が得られる

大変なところ

中級者向きのルートなので、初心者の方には難易度が高い
・2泊3日の行程でロングロース(標準コースタイム:合計20時間、累積標高:約3,300m)
・2日目はアップダウンのある稜線歩きが続く

白馬岳は登山初心者でも馴染みのある山ですが、ピーク時(7月末や紅葉時期)は大変混雑します。一方、雪倉岳〜朝日岳は、登山者も少なく静かな山歩きが楽しめます。しかしながら1日の行動時間が約7時間と、中級者向きのルートになっています。ご自身の体力と相談しながら計画を立ててください。

山行データ|ルート紹介とアクセス

蓮華温泉を起点とした2泊3日の行程です。

今回のルート

 【1日目】蓮華温泉ー白馬大池ー白馬岳ー白馬岳頂上宿舎(テント泊)
 【2日目】白馬岳頂上宿舎ー白馬岳ー雪倉岳ー朝日小屋(テント泊)
 【3日目】朝日小屋ー朝日岳ー蓮華温泉


・行動時間 25時間
・総距離  35.8km
・累積標高 のぼり3,273m/くだり3,262m

YAMAPの活動日記はこちらです↓

お花畑トレイル🪻白馬岳ー雪倉岳ー朝日岳 / akknさんの離山(白馬村)丸山(黒部市)白馬岳の活動データ | YAMAP / ヤマップ

蓮華温泉へのアクセスにはマイカー路線バスがあります。

マイカー
  • ナビの行き先設定は「平岩駅」に設定し、そこから交通看板を頼りに行くと便利です。
  • 駐車場は蓮華温泉手前 約70台(無料)
路線バス

登山日記

【Day1】蓮華温泉〜白馬大池〜白馬岳

前日の夕方、蓮華温泉に到着し車中泊しました。夜の駐車場は本当に真っ暗。街灯が無いのでトイレへ行くのにもヘッドランプが必要でした。
朝5時半に登山スタート。まず白馬大池を目指します。

蓮華温泉駐車場から朝日岳が見えます
蓮華温泉駐車場から朝日岳が見えます
蓮華温泉 外観
蓮華温泉 日帰り入浴、宿泊もできます

樹林帯にはヤマアジサイ、シモツケソウ、ハクサンシャジンなどが目を楽しませてくれます。
写真を撮りながらゆっくり登ります。

天狗の庭はベンチがあるので休憩にぴったり。雪倉岳ー朝日岳の稜線が見えます。

雪倉岳と朝日岳 明日はここを歩きます(天狗の庭から撮影)
雪倉岳と朝日岳 明日はここを歩きます

天狗の庭から約1時間で白馬大池に着きます。

白馬大池 右は白馬大池小屋
白馬大池 右は白馬大池小屋

白馬大池の湖畔はオトギリソウ、チングルマ、ゴゼンタチバナなど賑やかでした。

白馬岳へは船越ノ頭、小蓮華岳を経てコースタイム約3時間15分です。
テン泊装備なのでずっしり来ますが、花を見ながらなので気持ちよい疲れです。

登山道は途中ガスってきたなぁと思いつつ歩みを進めると、ライチョウに会えました!
船越ノ頭と小蓮華岳のちょうど中間あたりでした。

ヒナを連れているライチョウ
ライチョウ ヒナを連れています

この日は3回もライチョウに会うことができました!

山野草とライチョウ
山野草とライチョウ

この時期はヒナを連れていることが多いので優しく見守ります。

ライチョウはそっと見守ってください/長野県

三国境を過ぎ、白馬岳へ。

ここからが山頂へのラストスパートですが、岩場にも花がたくさん。
息が切れたらシャッターを切って息を整えます。
ダイモンジソウ、ミヤマクワガタ、タカネシオガマなどが見れました。

たくさんの花
モデル歩きのようなライチョウさん
モデル歩きのようなライチョウさん

花とライチョウに励まされながらようやく白馬岳山頂へ。

白馬岳 山頂 標高2932m 日本百名山、花の百名山でもあります
白馬岳 山頂 標高2932m 日本百名山、花の百名山でもあります

小休憩の後、今日の宿である白馬岳頂上宿舎へ向かいます。
小屋の近くは白馬大雪渓の分岐点にあるので、大雪渓から登ってきたハイカーが次々と到着していました。

白馬岳頂上宿舎 外観
白馬岳頂上宿舎

2025年開設期間 6月28日(土)〜9月30日(火) ※29日宿泊まで
2025年は外来食堂の営業は休止するそうです。(売店は営業)ご注意ください。

区分大人小学生幼児備考
素泊り9,500円5,500円無料
1泊朝食付12,000円7,000円食事をご用意する場合は1食1,000円朝食は弁当に変更可
1泊夕食付13,500円7,500円
1泊2食付15,000円8,500円朝食は弁当に変更可
1泊3食付(1泊2食+昼の弁当)16,500円10,000円朝食は弁当に変更可
テント1人2,000円
(水トイレ使用可)
予約制
1人2,000円
(水トイレ使用可)
予約制
テント1張りにつき1,000円
テント泊の方の食事は別途料金(朝食3,200円/夕食4,000円)

※詳細は頂上宿舎ホームページをご確認ください。

受付をして、テント設営します。

ソロハイクで使っているノースフェイスのマウンテンショット1  1人用でも十分な広さがあるのと丈夫なところが気に入っています
ソロハイクで使っているノースフェイスのマウンテンショット1  1人用でも十分な広さがあるのと丈夫なところが気に入っています
色とりどりのテントが並ぶ白馬岳頂上宿舎テント場
色とりどりのテントが並ぶ白馬岳頂上宿舎テント場
頂上宿舎付近の稜線に上がると夕焼け
頂上宿舎付近の稜線に上がると夕焼け

【Day2】白馬岳〜雪倉岳〜朝日岳方面へ

2日目、テント場から杓子岳方面に少し行ったところ、丸山近くで写真撮影。
白馬岳と一緒に日の出を見ることができます。

日の出 頂上宿舎近くで撮影
日の出 頂上宿舎近くで撮影

2日目は白馬岳から朝日小屋までの約12kmを歩きます
標準コースタイムは約7時間になるので、朝5時過ぎに出発しました。
朝は空気が澄んでいるので遠くまで見渡せます。立山連峰〜剱岳はもちろん、槍ヶ岳や穂高連峰、八ヶ岳や富士山、南アルプスまで見ることができました。

立山連峰と剱岳のモルゲンロート
立山連峰と剱岳のモルゲンロート
槍・穂高連峰 白馬岳から撮影
槍・穂高連峰 白馬岳から撮影
八ヶ岳と富士山 南アルプスが見える
白馬岳から撮影
八ヶ岳と富士山 南アルプスが見える 

白馬岳山頂をくだり、三国境の分岐から雪倉岳方面へ歩みを進めます。
分岐からすぐのところにコマクサの群生地があります。

三国境から雪倉岳方面にあるコマクサ群生地
三国境から雪倉岳方面にあるコマクサ群生地

コマクサたちに「行ってらっしゃい」と言われているようです。(幻聴です笑)

高山植物の女王・コマクサ
高山植物の女王・コマクサ

ザレた下り道を進むと、マツムシソウがたくさん見れました。
お花畑の稜線歩きは最高の気分です。

マツムシソウ 雪倉岳までにたくさん群生していました
マツムシソウ 雪倉岳までにたくさん群生していました
雪倉岳へ向かう
空が澄み渡り、気持ちのいいトレイルです
雪倉岳に向かいます 空が澄み渡り、気持ちのいいトレイルです
ライチョウに遭遇
またまたライチョウに遭遇 

歩くたびに花も入れ替わり、飽きることがありません。

雪倉岳へ向かうトレイルで撮影
振り返って北を見ると、白馬岳(左)と旭岳
振り返って北を見ると、白馬岳(左)と旭岳

雪倉岳避難小屋から山頂まで約200mの登りですが、花を見ながらだとあっという間に感じました。

お花畑と雪渓と山々 アルプスならではの光景
お花畑と雪渓と山々 アルプスならではの光景
日本二百名山・雪倉岳 標高2610m
日本二百名山・雪倉岳 標高2610.9m

日本二百名山の雪倉岳山頂。上信越の山々が見えます。

雪倉岳 標柱ではなく石に彫られています
標柱ではなく石に彫られています
雪倉岳から見る朝日岳 たおやかな山容
雪倉岳から見る朝日岳 たおやかな山容
赤い三角屋根が朝日小屋 今日の目的地です
赤い三角屋根が朝日小屋 今日の目的地です

次に向かう朝日岳はたおやかな山容。ドーム型です。朝日岳の西側に朝日小屋が見えます。
標高2000mまでゆっくり下りますが、このトレイルは目を休ませてはくれません!

樹林帯に入ると木道が整備された小桜ヶ原という湿原にでます。

樹林帯を抜け、小桜ヶ原湿原に 木道を行きます
樹林帯を抜け、小桜ヶ原湿原に 木道を行きます
湿原にはオトギリソウが咲く
湿原にはオトギリソウが咲く

水平道分岐では右に行き直登すると朝日岳です。
私は、朝日小屋方面へ行きます。

水平道分岐 まっすぐ行くと朝日小屋
水平道分岐 まっすぐ行くと朝日小屋

この水平道は、水平とは名ばかりでアップダウンが多めのタフな道でした。
てっきり水平かと思っていた私はかなり体力が削ぎ落とされました。。

水平道 ロープと岩場があります
水平道 ロープと岩場があります

朝日岳からの登山道と交わる水谷のコルに着くと、朝日小屋はもうすぐです。

水谷のコル 西に行くと朝日小屋、東は朝日岳
水谷のコル 西に行くと朝日小屋、東は朝日岳
木道を通って朝日小屋へ
木道を通って朝日小屋へ

約10分で、朝日平にたつ朝日小屋に到着です!

朝日小屋 外観
いつか泊まりたい山小屋です
朝日小屋 いつか泊まりたい山小屋です

私が泊まりたい山小屋ナンバーワンの「朝日小屋」です。
残念ながら今回は予約が取れなかったのでテント泊になりました。
あたたかいもてなしと富山の食材をふんだんに使った郷土料理が自慢の宿ですので、気になる方はぜひ一度泊まってみてください。

2025年営業期間:6月下旬~10月12日(日)
定員:50人(完全予約制)
予約方法:宿泊日の1ヶ月前から衛星電話(080-2962-4639)にて受付 
※予約電話の受付時間は、午前8時〜10時

区分料金備考
1泊素泊り10,000円
1泊夕食付14,000円朝食提供なし
テント1人2,500円テントは予約不要

※詳細は朝日小屋ホームページをご確認ください。

明日の行動食にと売店で押し寿司を購入しました。(販売開始の放送がテント場まで聞こえます)
小屋周辺の朝日平は花が多くライチョウが姿を現す、のどかな場所でした。

朝日平は平坦な草地 花もたくさん
朝日平は平坦な草地 花もたくさん

【Day3】朝日岳〜蓮華温泉へ下山

最終日は朝日岳に登り蓮華温泉に下ります
朝5時前に出発します。

早朝の朝日小屋テント場 すでにテントが少なくなりました
早朝の朝日小屋テント場 すでにテントが少なくなりました

朝日岳への登りも花とともに。
日が出てきて花たちも嬉しそうです。

朝日岳稜線からの朝日
朝日岳稜線からの眩しい太陽

日本三百名山・朝日岳に到着!
周囲の眺めは最高です!

朝日岳 標高2,418m 
朝日岳 標高2,418m 影が伸びてます笑
立山と剱岳
立山と剱岳

広い山頂は木道があり少し歩くとお花畑です。

朝日岳山頂のお花畑
朝日岳山頂のお花畑

少し休憩した後は砂礫を下り、吹上のコルにつきます。
ここは栂海新道と五輪尾根の分岐点。蓮華温泉へは五輪尾根を下ります。

吹上のコル 蓮華温泉方面へ行きます
吹上のコル 蓮華温泉方面へ行きます
青空と緑 ザ・夏山って感じです
青空と緑 ザ・夏山って感じです
花園三角点(標高1753m) 朝日岳から約660m下りました
花園三角点(標高1753m) 朝日岳から約660m下りました

樹林帯に下る前に朝日小屋で買った鱒とくるみの押し寿司で小休憩です。
1個400円。買った時は冷凍されていましたが自然解凍で美味しくいただきました。

木道を下ります 木道は雨で濡れていると滑りやすいので要注意です
木道を下ります 木道は雨で濡れていると滑りやすいので要注意です
沢の流れは激しい
沢の流れは激しい
うねりが立派な大樹
うねりが立派な大樹

樹林帯に入り、蓮華の森分岐まで来ると蓮華温泉まであと20分ほど。

蓮華の森分岐 夢中でくだったので汗だくです
蓮華の森分岐 夢中でくだったので汗だくです

キャンプ場の道まで来ると、もう蓮華温泉の敷地内です。

ちょうど12時に蓮華温泉に到着です!
この後、蓮華温泉の内湯に入り汗を流しました。
時間の関係で、今回野天風呂には入れませんでした。
次の機会には、野天で汗を流したいと思います。

時間:9時30分から17時

大人小人
内風呂・野天風呂 両方800円500円
野天風呂のみ500円200円
内風呂のみ800円500円

※宿泊、キャンプ場などの詳細は蓮華温泉ホームページをご確認ください。

まとめ|登ったあとの感想

このルートは、花好きだけではなく中級者以上のハイカーの皆様におすすめします。
白馬岳は多少混雑しますが、雪倉〜朝日は静かな山歩きが楽しめます
そして朝日小屋に泊まってみてください
山小屋の温かさを肌で感じると思います。
登山適期は、私が行った7月末〜8月上旬となりますが、その時期以外にも季節の花が咲きます。
9月末からの紅葉を見ながらの登山も格別です。

この記事が皆様のお役に立てば幸いです。
最後までご覧いただきありがとうございました!

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