(前回の記事の続きです)
海の日3連休の初日、北アルプス・五色ヶ原へ向けた2泊3日のテント泊縦走に行ってきました。

前夜は立山駅駐車場で車中泊し、朝イチで折立登山口へ。ここから薬師岳を目指します。
この記事では、登山1日目の「折立〜太郎平〜薬師岳〜スゴ乗越小屋」までの登山リポートをお送りします。

滅多にない晴天続きの3連休で、賑わう登山道。
でも薬師岳を過ぎると、今までの喧騒がウソのような静かな山旅を楽しむことができた1日目です。
9時間越えのハードな登山で疲れ果てましたが笑
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薬師岳〜五色ヶ原縦走 / akknさんの龍王岳(富山県)・越中沢岳・浄土山(富山県)の活動データ | YAMAP / ヤマップ
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縦走スタート!大混雑の行列登山
登山開始は朝7時半。折立登山口にはすでに多くの登山者が集まっていて、人気の連休らしい雰囲気です。

いよいよ2泊3日の登山スタート!

しばらくは樹林帯をいきます。登山道は朝から大にぎわい。グループで楽しそうにおしゃべりしながら歩く人が多い中、私はソロで黙々と登ります。こういう時、無心で自分と向き合いながら歩く時間が心地良かったりします。
十分過ぎるくらい自分と向きあった気がします笑

アラレちゃん展望台までは譲り合いながらの登りとなりました。
樹林帯抜けて好展望|三角点と五光岩ベンチ
太郎平に向かう途中の小休憩スポット、まずは三角点で一息。
ここで視界が広がり、振り返れば白山や有峰湖。


左手には剱岳や大日連山、そして左正面にはこれから登る薬師岳が堂々と構えていました。


さらに少し登ると五光岩ベンチに到着。
ここでも腰を下ろして、稜線の向こうには富山湾や能登半島も見え、しばし足を止めて眺めてしまいます。

風はほとんどなく日差しが照りつける中、少しの木陰を見つけて体を休めます。
朝からずっと天気が良くて、眺望は最高。
行列登山の疲れもありますが、体も大分慣れてきて心身ともにいい感じです。

過去イチの晴天!太郎平小屋で大休憩
11時ごろ太郎平小屋に到着。広場には多くの登山者が集まり、ベンチで休憩したり、景色を写真に収めたり、思い思いの時間を過ごしています。

太郎平は北アルプスの要衝。ここで休んでいる人たちは雲ノ平や黒部五郎、薬師岳など行き先は違います。みなさんそれぞれの登山を楽しむため、ここでしっかり休憩しエネルギーを蓄えています。

私もここで早めの昼ごはんをとりました。水を補給しようと水場へ向かいましたが、タイミングが悪かったのか水量はチョロチョロ…。ここでの補給は見送り、薬師峠ですることにします。
太郎平からの眺めは格別で、目の前には雲ノ平とその上に水晶岳、鷲羽岳、三俣蓮華岳、黒部五郎岳と、北アルプスの名峰たちが勢揃いする圧巻の風景でした。


こんなに眺めが良く天気の良い日は久しぶりです。
薬師峠で水補給|テント場は大盛況
太郎平小屋から少し下った薬師峠のテント場は、予想通りの大賑わい。

昼前の時点で、すでに5割ほどが埋まっていて、色とりどりのテントが並ぶ様子はまるで麓のキャンプ場のようでした。
受付、売店、水場、トイレも完備されており、安心感も◎。なかでもありがたかったのは水場で、ここはホースから勢いよくドバドバと水が出てくれます。ここでしっかり補給しました。

薬師岳へ|荷物が重い!日差しも強烈!
賑わうテント場を横目に薬師平へ向かいます。しばらく大岩がゴロつく急登。気温も上がってきて、テント泊装備のザックがどんどん重く感じました。


薬師平まで上がると、木道沿いにはチングルマなどの高山植物が咲き誇っており、足を止めては花を愛でながら進みます。


森林限界を越えると薬師岳山荘までの道は気持ち良い稜線歩きのはず…が、この日は容赦ない直射日光。景色はいいけれど、暑さが堪えます。

薬師岳山荘で一旦ベンチに腰掛け、日焼け止めを塗り直しながら小休止。まだ先があるとわかっていても、ここでの一息は必要でした。

薬師岳到着!ここからオレは北へ行く
薬師岳山荘から山頂までは、ザレたジグザグ道を約1時間。軽装の登山者に道を譲りつつ、こちらは大ザックで黙々と登っていきます。

少しバテてきたものの、なんとか薬師岳の山頂に到着!



山頂は賑わっていましたが、まだ今日の行程は終わりじゃない。ここから先が本番です。

薬師岳を過ぎると登山者の姿もほとんど見かけなくなり、静かな縦走路に。

岩がゴロゴロと転がる岩稜帯を、ひとつひとつ慎重に渡っていきます。ペースも落ちて、歩いては立ち止まり、また歩いては深呼吸。そんなリズムで進みました。

それでもふと後ろを振り返ると、金作谷カールのダイナミックな地形と残雪が視界いっぱいに広がり、疲れた体に元気をくれるような光景。こういう景色を見てしまうと、やっぱり山ってすごいな…と素直に思います。

岩場や砂礫の合間にも、高山植物はたくましく咲いていて、チングルマ、ミヤマダイコンソウ、ウサギギクなどが目を楽しませてくれました。



薬師岳から北薬師岳までは、この日いちばんしんどかった区間でした。

核心部だった北薬師岳|さぁスゴ乗越小屋へ!
ようやく北薬師岳に到着。誰もいない山頂で、思わず「着いたー!」と叫びました。
疲労感と達成感がいっぺんに押し寄せます。


ここからはスゴ乗越小屋まで下り基調。

赤茶けたガレ場を慎重に下っていくと、間山に到着。ここが今日最後のピークです。

もう足は棒のようになり、惰性で下ってる感覚。早く着かないかな?小屋はまだかな?そんなことばっかり考えてました。

樹林帯に入りしばらく進むとスゴ乗越小屋にようやく到着。時刻は午後5時を回っていました。

疲労困憊…混雑のテント場|900円のビールで乾杯!|
小屋前のベンチに腰を下ろし、しばし放心状態…。
受付を済ませてテント場へ。すでに30張中28番目。スタッフの方が「結構埋まってますよ」と言っていたとおり、ぎっしりでした。空いていたのは石がゴロゴロと残る、ちょっと寝づらそうなエリア。
それでも文句は言っていられません。すぐにテントを設営し身体を横にします。

ボディータオルで汗を拭き、ドライシャンプーで髪をさっぱり。着替えを済ませて軽くストレッチ。これだけで全然違います。


売店は19時まで営業していたので、冷え冷えのビール(900円)を1本購入。
グビッといけば、一日の疲れが一気に報われるぅ…!
あまり空腹感はなかったのですが、柿の種をかじったら食欲が湧いてきて、焼き鳥缶、いわしレトルト、そしてレトルトスープカレーとアルファ米でがっつり夕食。
ちなみにアルファ米で今おすすめなのが「孤高のキャンプ飯」です。0.5合が1袋に入っておりソロ登山者にはちょうどいいサイズ。普通のアルファ米より美味しく感じます(個人の意見ですが笑)シェラカップに「孤高のキャンプ飯」1袋と水を入れて5〜10分加熱。15分蒸らしたら完成です!今回、私はカレーをかけていただきました。やっぱり登山には米が欠かせませんね!

チューハイもいこうかなと思いましたが、今回は1本にしておきました。
ビール900円という値段からこの小屋の奥深さを痛感しました。
食事の間にも3〜4組ほどテント泊の方がやってきて、みんな譲り合いながら場所を探していました。

気づけばとっぷりと日が暮れ、星空を楽しむ間もなく、あっという間に寝落ち。スゴ乗越の夜は静かに更けていきました笑
【次回】お花畑の楽園・五色ヶ原へ!
次はいよいよ2日目。花の楽園・五色ヶ原へ。

アップダウンを繰り返し、満開のチングルマに出会う一日です!

👉花の楽園・五色ヶ原への縦走2日目 [第3話|スゴ乗越小屋〜五色ヶ原 編]
↓【北アルプス縦走1】薬師岳〜五色ヶ原:折立から3日間の山旅スタート(装備・アクセスまとめ)
↓ゆるハイク百名山 第1回:【大菩薩嶺】登山初心者にも絶景を!気軽に稜線ハイクできる名峰
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