(1日目の記事はこちら → 折立〜薬師岳〜スゴ乗越小屋まで)
2025年7月20日(日)、北アルプス縦走2日目。
今日はスゴ乗越小屋から、花の楽園と名高い五色ヶ原を目指す行程です。

コースタイムは約5時間ほどですが、標高差のあるアップダウンが続く、なかなか侮れないルート。
楽しみにしていたクロユリは、果たして咲いていたのでしょうか?
ぜひ最後までご覧ください!
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薬師岳〜五色ヶ原縦走 / akknさんの龍王岳(富山県)・越中沢岳・浄土山(富山県)の活動データ | YAMAP / ヤマップ
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「劔・立山」には、五色ヶ原や剱岳・立山三山のほかに、雲ノ平や黒部五郎岳も載っています。テント時間の暇潰しにもってこいです!笑
スゴ乗越テント場の朝|キレイなトイレ

昨晩は疲れすぎて、いつ寝たのかも分からないほど。気づけば眠りについていました。10時間近く歩いた一日でしたから、無理もありません。
周囲のテントからわずかな物音が聞こえ始めたのは午前4時。自然と目が覚め、静かに準備を始めます。
スゴ乗越小屋は縦走路の途中に位置しています。ここに泊まる人たちは、薬師岳へ行く人か五色ヶ原を目指す人のどちらかしかいません。それぞれの目的地へ向かうためみなさん準備に追われていました。

朝食はフリーズドライの味噌汁、スープ春雨、そして昨日のアルファ米の残り。手持ちのおにぎりは今日の行動食としてキープすることにしました。
スゴ乗越小屋で個人的に感心したのが、トイレに「フタがあること」。
山小屋のトイレの臭いはどこもかなり強烈です。スゴ乗越小屋のトイレは座るタイプのいわゆるボットン便所ですが、便座にフタがついてて「用が済んだらフタを閉じて」と貼り紙がしてあります。これが徹底されているようで、臭いはかなり抑えられていました。たかがフタ、されどフタ。臭い対策には抜群の効果があると実感しました。
さて、小屋の水場は朝もよく流れていて、ここで1.5Lの水を補給。テントを撤収し、6時きっかりに出発です。

朝の急登|スゴノ頭へ
テント場を出発し、下り基調の樹林帯を抜けてスゴ乗越へと向かいます。


ここからスゴノ頭まで40分ほどの急登。朝イチからいきなりの洗礼で、身体にムチを打たれたかのよう。ウォーミングアップには少しキツイ笑
中腹で振り返ると、昨日越えてきた薬師岳や北薬師岳、そして小さくスゴ乗越小屋が見えました。

あそこから歩いてきたんだ…と少し誇らしい気持ちになると同時に、「本当に歩いてきたのかな?」と、自分でも信じられない気持ちになります(笑)
スゴノ頭直下は大岩帯で、足元を選びながら慎重に進みます。

登りきったところが「スゴノ頭」。ピークへは現在立ち入り禁止になっているため、分岐点の広場でザックを下ろし小休憩です。

7時とはいえ日差しはすでに強く、気温も上昇中。水分補給をしながら、ここからのアップダウンに備えます。

核心部・越中沢岳へのアップダウン
スゴノ頭を越えると、越中沢岳へ向けて標高差約200mの大きな下り。
そこからまた200mほどの登り返しが待っています。

しかも、遮るもののない直射日光の中での登りはかなりハード。登っても登っても続く登りに「まだ続くのか…」と、思わずため息が出るほど。でも景色が最高なので足は止まりません。東には赤牛岳や裏銀座の稜線も見えてきて、景色に励まされながら歩き続けました。


さらに高度を上げ、8時半過ぎにようやく越中沢岳(2,591m)に到着。
すれ違う登山者みなさんがいう通り、ここが2日目の核心部でした。

山頂では針ノ木岳や船窪岳、後立山連峰が眼前に広がり、思わず息を呑む景色でした。


ここでおにぎり2個と柿の種で大休憩。エネルギーと気力をチャージして、次の鳶山へ向かいます。
鳶山から五色ヶ原へ|チングルマの歓迎
越中沢岳から鳶山へも、やはり登り返し。「鳶山が今日最後のピークだ!」と言い聞かせ、ゆっくりと足を進めます。

登山道の脇には、ハクサンフウロやヤマハハコ、ミヤマダイコンソウなどの花々が咲き、励まされてるような気持ちになりました。



11時ごろ、鳶山(2,626m)に到着。遠くに五色ヶ原山荘とテント場が見えました。

あとは下るのみ。もう今日は勝ち確です(笑)




30分ほどで五色ヶ原山荘に到着!時刻は11時半。昨日と比べて5時間ほど早い到着に気分が高揚しました。

テント場の受付を済ませ、スタッフの方に「クロユリ、まだ咲いてますか?」と尋ねると「もうほとんど萎れちゃいましたね」とのこと。
残念。楽しみにしてたのにな。。
「鷲岳のふもとに群落があるので見てみてください」と教えていただいたので、散策ついでに行くことにしました。
花咲く湿原と木道散歩 そしてクロユリ
五色ヶ原のテント場へは山荘から15分ほど歩きます。
この時間のテント場は混雑しておらず、まだ3割ほど。設営場所を選ぶことすらできなかった昨日と比べると、早着のメリットをひしひしと感じました。

設営したあとは水場で顔を洗い、体を休めます。

汗で濡れたウェアを干すと、晴天のおかげですぐに乾きました。曇りや雨だったら汗で濡れたウェアを明日も着ることになるので(着替えはテント場用しか持ち歩かない主義。軽量化の一環です)、ウェアが乾いてるっていうのは明日の行動にも影響するのです。晴れてるってホント最高!と実感しました。

昼食はカップラーメン。汗で失われた塩分を身体が求めていたのか、スープまで飲み干してしまいました。(普段は飲み干しません笑)

午後は、五色ヶ原の湿原を散策する贅沢な時間です。
雪渓や池塘が点在するこの風景は、まるで雲ノ平。歩くだけで「いいところだなぁ」としみじみ感じます。

木道沿いから見るチングルマ、ハクサンイチゲ、ハクサンコザクラ、シナノキンバイ、コバイケイソウなど、遠くの山々とあわせて見る景色はここでしか見れない「ザ・北アルプス山岳風景」です。




クロユリを求めて鷲岳方面の木道へ。確かにスタッフさんの言うとおり萎れた株が数株確認できました。

山荘に戻って、「やっぱりもう終わりかけでした」と言うと、別のスタッフさんが「今日の朝、木道の足元に一輪だけ元気に咲いてましたよ」と教えてくれました。
「え?マジすか?」
どうやら見逃したようです笑
でも行くのはやめて「また来年、一週間早く来よう。」そう心に決めました。
ライチョウと夕焼け|くつろぎのテントタイム
夕方、山荘でビールを購入(700円)。スゴ乗越より少し安くて、人里に少し近づいたような安心感に、ちょっと嬉しくなります。
テント場へ戻る途中、雷鳥の親子に遭遇!ふわふわのヒナと親鳥。今回の縦走では初めての遭遇だったので、夢中で写真を撮りました。


夕食はカレーメシと缶詰(焼き鳥とサバ)、おつまみナッツ。今日の行動が短めだったおかげで、身体にも心にも余裕があり、ビールを飲みながらまったり過ごします。
日が沈むころ、山々がアーベントロートに染まり、穏やかな時間が流れていきます。


星空もばっちり。昨日はすぐに寝落ちしてしまったけれど、今日は夜中に見ることができました。
【次回】2泊3日の締めくくり 賑わう室堂へ
いよいよ最終日。
五色ヶ原から室堂へ、立山の絶景を味わいながら縦走は終わりを迎えます。

獅子岳、龍王岳。いくつかの登り返しの後、喧騒の室堂エリアへ行きます。
👉 [第4話|五色ヶ原〜室堂 編]
↓【北アルプス縦走2】薬師岳から花咲く五色ヶ原へ(1日目:折立からスゴ乗越小屋)
↓【北アルプス縦走1】薬師岳〜五色ヶ原:折立から3日間の山旅スタート(装備・アクセスまとめ)
↓ゆるハイク百名山 第1回:【大菩薩嶺】登山初心者にも絶景を!気軽に稜線ハイクできる名峰
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