【日本百名山】金峰山・御嶽古道ルート|静かな古道を歩く登山記録

登山日記

こんにちは、あっくんです!

山梨県と長野県の県境にそびえる金峰山(きんぷさん・標高2,599m)は、日本百名山に数えられる人気の山です。奥秩父の主峰として知られ、山頂に立つ巨大な五丈岩(ごじょういわ)は、古くから信仰の対象となってきました。

金峰山のシンボル・五丈岩(山頂で撮影)
金峰山のシンボル・五丈岩

現在もっとも一般的な登山ルートは大弛峠からの最短コースですが、実は金峰山にはいくつもの登山道があり、それぞれに特徴があります。

なかでも今回紹介する御嶽古道(みたけこどう・表参道)ルートは、甲府市側から登る唯一の道。2024年に登山口や林道が整備され、再び歩きやすくなった注目のルートです。

静かな森の中から始まり、後半は岩場や鎖場、はしごといったスリリングな道を登りながら、次第に五丈岩が近づいてくる迫力は御嶽古道ならでは。片道5時間半と体力は必要ですが、人混みを避けて金峰山をじっくり楽しみたい人にはとても魅力的なルートです。

苔むした石を横目に登っていきます(金峰山・御嶽古道で撮影)
苔むした石を横目に登っていきます
御嶽古道の核心部・一枚岩の鎖場(御室小屋跡から五丈岩の間で撮影)
御嶽古道の核心部・一枚岩の鎖場

この記事を見ていただければ、御嶽古道の魅力を知ることができます。

ぜひ最後までご覧ください!


⬇️YAMAPの活動日記です⛰️

金峰山⛰️御嶽古道(表参道) / akknさんの金峰山の活動データ | YAMAP / ヤマップ

金峰山とは?|代表的なルート紹介

金峰山(きんぷさん・2,599m)は、山梨県と長野県の県境にそびえる日本百名山のひとつです。瑞牆山とあわせて「奥秩父の双璧」とも呼ばれ、山頂からは富士山、南アルプス、八ヶ岳、浅間山など、360度の絶景を望むことができます。山頂には花崗岩の巨石が積み重なった「五丈石」がそびえ立ち、古くから信仰の対象となってきました。

昇仙峡(羅漢寺山)から見る金峰山 ここからでも見える五丈岩の存在感
昇仙峡(羅漢寺山)から見る金峰山 ここからでも見える五丈岩の存在感

金峰山には複数の登山ルートが整備されており、それぞれ特徴があります。代表的なルートを整理すると以下の通りです。

ルート名所要時間(片道)特徴難易度
大弛峠ルート約2時間最短ルート。日本最高所の車道峠から登れる。家族連れや初心者に人気だが混雑しやすい。初心者向け
瑞牆山荘ルート約4〜5時間標高差・距離ともにしっかり。瑞牆山との縦走も可能で歩きごたえあり。健脚向け
廻目平ルート約5〜6時間長野県川上村からの静かなルート。人が少なく落ち着いた雰囲気を楽しめる。健脚向け
御嶽古道(表参道)約4〜5時間かつての表参道。2024年に登山口や林道が整備され再び歩けるようになった。中級者向け

このように金峰山には初心者から健脚者まで、目的や体力に合わせたルートが揃っています。
今回はその中でも、ちょっとディープで“昔ながらの登山道”を歩ける「御嶽古道(表参道ルート)」を実際に歩いてきたので紹介します!

御嶽古道のアクセス・ルート紹介

御嶽古道の登山口は甲府市黒平町にある、御嶽古道の駐車場です。
2024年に林道改修と駐車場整備が行われ、マイカーでのアクセスがしやすくなりました。

🚕アクセス

  • マイカーの場合
     甲府市内から向かう場合、昇仙峡を過ぎてマウントピア黒平方面へ進み、クリスタルラインを走ります。そこから離合が難しい林道を約40分ほど登ると「甲府市森林浴広場」に到着。その先に「金峰山表参道登山口」の看板があり、道なりに進むと駐車場に着きます。昇仙峡付近から車で約1時間程度です。
    ※林道は道幅が狭くて離合しづらいので、運転には十分注意が必要です。また車酔いしやすい人は事前に対策しておくと安心です。
    ※残念ながら公共交通機関は利用できず、マイカーアクセスが前提となります。
甲府市森林浴広場近くで撮影 「金峰山表参道」この看板通りまっすぐ行きます
甲府市森林浴広場近く 「金峰山表参道」この看板通りまっすぐ行きます

🅿️駐車場情報

2024年整備された、御嶽古道ルートの駐車場 約20台駐車可能
2024年整備された、御嶽古道ルートの駐車場 約20台駐車可能
  • 駐車台数:約20台
  • 設備:簡易トイレ2台あり
  • 混雑具合:比較的空いています。私が訪れた土曜日も先客は2台だけでした。
簡易トイレ2台あります(登山口駐車場で撮影)
簡易トイレ2台あります

ルート概要

金峰山 御嶽古道(表参道)ルート

活動時間 10時間08分 距離 13.9km のぼり1,414m/くだり1,414m


【往路】登山口駐車場 → 水晶峠 → 御室小屋跡 → 五丈岩 → 金峰山

  • 標準コースタイム 5時間32分 距離 6.9km のぼり1,265m/くだり140m

【復路】往路と同じ

  • 標準コースタイム 4時間34分 距離 6.9km のぼり140m/くだり1,274m
御嶽古道ルートMAP
御嶽古道ルートMAP

御嶽古道は、前半は静かな笹原と樹林帯を歩く穏やかな山道。御室小屋跡を過ぎると雰囲気が一変し、岩場や鎖場、はしごが続くスリリングな登りになります。

変化のある登山道で、前半の静けさと後半のダイナミックさをどちらも味わえるのが魅力です。

山頂に近づくにつれて、金峰山の象徴・五丈岩がだんだんと大きく姿を現します。その迫力は御嶽古道から登った人だけが体験できるもの。

コースタイムは片道およそ5時間半。体力的にはややハードですが、歩き切ったときの達成感は格別です。

金峰山の山頂直下で撮影 五丈岩の迫力!
金峰山の山頂直下 五丈岩の迫力!

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御嶽古道ルート詳細

登山口〜水晶峠まで

登山口〜水晶峠までのMAP
登山口〜水晶峠までのMAP

登山口(標高約1,450m)から水晶峠までは、しばらくは林道や樹林帯、笹原の道を徐々に高度を上げながら進んでいきます。途中、沢があったり苔むした岩や木々が横たわっていたりと、気持ちのいい静かな森の中を淡々と進む道が続きます。

笹原を緩やかに登る(登山口から水晶峠の間で撮影)
笹原を緩やかに登る
ピンクテープは多めですが、過信は禁物 地図アプリなどを利用し、道迷いに気をつけて(登山口から水晶峠の間で撮影)
ピンクテープは多めですが、過信は禁物 地図アプリなどを利用し、道迷いに気をつけて

約2時間で「水晶峠」に到着。ここから本格的な登山が始まります。

水晶峠 ここで一休みするも良し(水晶峠で撮影)
水晶峠 ここで一休みするも良し

水晶峠〜五丈岩・金峰山山頂へ

水晶峠〜金峰山までのMAP
水晶峠〜金峰山までのMAP

水晶峠を越えると御室小屋跡へ。小屋は解体され、廃材やトタンが横たわっています。かつては表参道を支える小屋として使われてようですが、空きビン・空き缶など当時のゴミもそのままです。

御室小屋跡 私はここで休憩しました(御室小屋跡で撮影)
御室小屋跡 私はここで休憩しました

御室小屋跡を過ぎると、ルートは一気に険しさを増します。ここからが本格的登山と言っていいでしょう。

急登が続き、やがて一枚岩の鎖場はしごガレ場のトラバース岩場とスリリングなポイントが次々に登場します。標高2,000mを超える頃から展望が広がり、周りの山々を望むことができます。

一枚岩の鎖場 乾いているとソールのグリップが効きますが、濡れてたら滑るので注意(御室小屋跡から五丈岩の間で撮影)
一枚岩の鎖場 乾いているとソールのグリップが効きますが、濡れてたら滑るので注意
肩手廻しの岩 岩が落ちそうに見えます。。(御室小屋跡から五丈岩の間で撮影)
肩手廻しの岩 岩が落ちそうに見えます。。 
ガレ場のトラバース ロープありますが使わなくても行けます(御室小屋跡から五丈岩の間で撮影)
ガレ場のトラバース ロープありますが使わなくても行けます

山頂が近づくにつれて、金峰山のシンボルである巨大な「五丈岩」が姿を現します。

ようやく見えた五丈岩 まだまだ遠い(金峰山 山頂直下で撮影)
ようやく見えた五丈岩 まだまだ遠い

はじめは遠くに見えますが、近づくにつれどんどん大きく見え、迫力のある存在になっていきます。

近くまで来た!(金峰山 山頂直下で撮影)
近くまで来た!
ここまできたらもうすぐ!右に回り込んで行きます(金峰山 山頂直下で撮影)
ここまできたらもうすぐ!右に回り込んで行きます

最後は岩場を抜けると五丈岩のすぐそばに辿り着きます。五丈岩の周りを歩いていくと、そこは広い金峰山山頂(2,599m)。周りは他のルートから来たたくさん登山者がいるはずです。

五丈岩 人がいるとその大きさがよくわかります(金峰山山頂で撮影)
五丈岩 人がいるとその大きさがよくわかります
金峰山(標高2599m)右に五丈岩

山頂からの展望・見どころ

金峰山の山頂(標高2,599m)は広々としており、開放感抜群です。
御嶽古道を歩き切ったあとに立つ山頂は、まさに達成感でいっぱいになります。

五丈岩の迫力

山頂のシンボルといえば、やはり「五丈岩」。高さ15mを超える巨岩は、どのルートから登っても目を引く存在ですが、御嶽古道を登っていくと最後にどんどん近づいてくるため、その迫力を強く感じられます。山頂に到着すると、目の前に立ちはだかるようにそびえ、金峰山ならではの景観を形作っています。

金峰山の御神体・五丈岩(山頂で撮影)
金峰山の御神体・五丈岩

富士山・南アルプス・八ヶ岳の大展望

晴れていれば、南側には堂々とした富士山、さらにその横に南アルプスの白峰三山、鳳凰三山の山並みを一望できます。北側には八ヶ岳連峰、さらに秩父の山々まで広がり、360度の大パノラマを楽しめます。

この日は雲がかかってて、かろうじて瑞牆山だけ見れました!(金峰山山頂で撮影)
この日は雲がかかってて、かろうじて瑞牆山だけ見れました!

御嶽古道だからこその達成感

御嶽古道は登り5時間半と時間がかかるルートですが、その分だけ山頂からの景色もひと味違います。人が少なく静かな道を経て辿り着いた山頂は、短時間ルートでは得られない“歩き切った感覚”とともに味わうことができます。

山梨百名山の標柱とともに(金峰山山頂で撮影)
山梨百名山の標柱とともに

注意点

御嶽古道は中級者向けのルートです。初心者の方は登山経験者と一緒に登ると良いでしょう。

御室小屋跡以降は急登が続きます。焦らず、こまめな休憩を。

  • 岩場・鎖場・はしごがあるので、手袋(グローブ)が必携です。
  • 分岐が少なく静かなルートですが、テープや標識を見落とさないよう注意。
  • 下山時に一度コースを外れかけたので、特に下りでは慎重に。
ピンクテープ、見落とさないで!(御室小屋跡から五丈岩の間で撮影)
ピンクテープ、見落とさないで!

まとめ

御嶽古道は、金峰山の中でも“昔ながらの山道をじっくり歩けるルート”です。

最短ルートに比べて時間も体力もかかりますが、静けさと歩き応え、そして五丈岩にたどり着いた瞬間の達成感は格別。

登山口までのアクセスは長いけれど、その先には落ち着いた金峰山が待っています。

人混みを避けて、じっくり山を味わいたい人にぴったりのルートです。

体力に余裕をもって計画し、安全第一で御嶽古道からの金峰山を楽しんでください!

最後までご覧いただきありがとうございました!

自然がそのまま残る御嶽古道、ぜひ行ってみてください!(水晶峠周辺で撮影)
自然がそのまま残る御嶽古道、ぜひ行ってみてください!

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