(2日目の記事はこちら →スゴ乗越小屋〜五色ヶ原まで)
北アルプス・薬師岳からスゴ乗越を経て、静かな高原・五色ヶ原へ。
そしていよいよ、縦走の最終日となる3日目を迎えました。
2日間の歩みは、ガスに包まれた薬師岳、体力を試された北薬師岳、
きつい登り返しの連続、そして極楽のような五色ヶ原のテント場——。




最高の天気に恵まれたこの縦走、最後はどんな景色が待っているのか。ライチョウにもまた会えるのか。
最終日も怪我なく下山して、縦走を締めくくりたいと思います。
3日目の様子、最後までご覧ください!
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薬師岳〜五色ヶ原縦走 / akknさんの龍王岳(富山県)・越中沢岳・浄土山(富山県)の活動データ | YAMAP / ヤマップ
静かな五色ヶ原のテント場|水場のトラブル
周囲の物音に自然と目が覚めたのは、まだ3時過ぎ。すでにヘッドライトを灯して撤収を始めている人も多くいます。
テントの外に出ると、空は快晴。星もまだ瞬いていました。まずはトイレと朝ごはん。
しかしここで予想外の出来事が。
水場が、枯れていました。
昨晩までしっかり出ていたのに、まさかの「今朝だけ水ゼロ」。
山と高原地図にも「水場枯れることあり」とは書いてありましたが、昨日よく出ていたせいで完全に油断していました。(てか「山と高原地図」の情報は正確無比。登山には必須ですね!)
幸い朝食分の水は残っていたので、フリーズドライの味噌汁、春雨スープ、鮭雑炊2個で朝ごはんを摂りました。

モルゲンロートに染まる五色ヶ原
4時半、テントを撤収し五色ヶ原山荘へ向かいます。

遠回りして山荘へ行くのは水を購入するためです。
ここで500mlのペットボトルを2本購入。1000円の思わぬ出費笑
山荘のスタッフさんによると、「昨日、水場の元で怪しいなとは思ったんですよね」とのこと。
事前に聞いておけばよかったと反省しました。
ともあれ水が補給できてひと安心。水分をケチって熱中症になってしまったら元も子もないですからね。
さあ、室堂へ向かって歩き出します。

朝の光に染まる木道、振り返れば、五色ヶ原山荘がモルゲンロートに照らされていました。
咲き残るイワギキョウが「また来てね」と語りかけてくるようで、少し名残惜しさを感じながら歩き出します。

ザラ峠から獅子岳へ|五色ヶ原を振り返る稜線歩き

五色ヶ原と獅子岳の鞍部にあたるザラ峠は、戦国時代・佐々成政の「さらさら越え」で知られる歴史的なルート。

ガレた登りが続きますが、一歩ずつコツコツと。登りの途中では、トウヤクリンドウやミヤマクワガタが励ましてくれるかのように咲いていました。


6時半、獅子岳に到着。ここからの展望は最高!


振り返れば、五色ヶ原の台地が広がり、「あそこから歩いてきたんだ」と実感できる景色。


富士山、南アルプスの山々も遠望できて、まるでご褒美のような時間でした。
ここでは自然と登山者同士の会話も弾み、初対面でも一緒に歩いてきたような一体感がありました。このチーム感が嬉しいですよね。
雪渓の鬼岳|最後のピーク・龍王岳へ


獅子岳から先は、鬼岳東面の雪渓トラバース。山荘の方々がステップを切ってくれていて、アイゼンが無くても大丈夫でした。五色ヶ原山荘がインスタで情報発信してくれていたのがありがたかったです。(2025年7月の情報)

雪渓を横切る緊張感のある時間を抜けると、再び岩場の登り。

そして7時過ぎ、龍王岳直下の分岐に到着。ザックをデポして、空身で山頂を目指します。



龍王岳山頂からの景色は——
360度の大展望。


五色ヶ原から薬師岳まで続く道、富山湾、能登半島、裏銀座、槍・穂高、赤牛岳、立山の主稜線……まるで山の図鑑のようなパノラマ。

室堂から龍王岳まで来て、立山三山登るのもありですね。それぐらい価値ある景色です。
浄土山を越え室堂平へ|ライチョウに再会
龍王岳から先は、15分ほどいくと富山大学・立山研究所がある浄土山(南峰)です。
ここで道は三方向に分かれます。

分岐から10分で浄土山・北峰に着きます。山頂らしい標柱は見当たらず、代わりに軍人霊碑が静かに立っていました。


さらに浄土山から30分ほど下ると、室堂展望台。ここで偶然、オコジョの目撃情報があり、人だかりに。
一瞬だけ見えたその姿を、夢中でカメラに収めようとするも……ピント合わず。オコジョ、動き早すぎ!笑

そして、さらに歩くとまたもやライチョウに遭遇。

まるで最後のお見送りのように、静かに佇むその姿に、心が癒されました。
賑わう室堂|静かに3日間の縦走フィナーレ
岩畳を下り、観光客の姿が増えてくると、「ああ、山旅も終わりだな」と実感。


10時過ぎ、室堂ターミナルに到着。予定よりだいぶ早く着きました。
雄山が堂々とそびえ、登山者と観光客でごった返す中、旅の終わりを迎えました。
帰路はまず、室堂から美女平行きのバスへ。
弥陀ヶ原の散策も検討しましたが、情報では道が悪く断念。
バスの運転手さんも「歩くのは大変ですよ」とアナウンスしてくれていたので、今回は見送りました。

美女平からはケーブルカーで立山駅へ。

立山駅は、もう真夏の暑さ。
駐車場の自分の車に戻り、まずは温泉。3日分の汚れを洗い流したい!
グリーンパーク吉峰(立山吉峰温泉ゆ〜ランド)へ行きました。
さっぱりした後は、立山あるぺん村で昼食。

お腹を満たし、お土産に雷鳥の里とホタルイカの沖漬けを買って、山梨へ4時間の長時間ドライブ。
こうして、3日間の山旅が幕を下ろしました。
まとめ|最高の山旅!再訪を誓う
今年の夏の大きな目標にしていた「五色ヶ原縦走」
3日間、天気に恵まれたのが何よりです!
もちろんたくさんの花にも、素晴らしい景色にも、ライチョウにも2回出会えて、良き山行になりました。




ただ、やり残したことがひとつ。
「クロユリの群落を満開で見たかった」
そして、早くも来年の目標ができました笑
「もう少し早めに来て、五色ヶ原のクロユリに会いに来よう」
その時は縦走ではなく、室堂からのピストンにしようかと。今回の教訓です。
折立からの縦走はほんとにしんどかったですから笑

でも一度は歩いてみる価値「あり」です! ありありの有りです!笑

このルートを計画されている方の参考になれば嬉しいです。
最後までご覧いただきありがとうございました!
↓【北アルプス縦走3】2日目 スゴ乗越小屋〜五色ヶ原
↓【北アルプス縦走2】1日目 折立〜薬師岳ゴ乗越小屋
↓【北アルプス縦走1】薬師岳〜五色ヶ原:折立から3日間の山旅スタート(装備・アクセスまとめ)
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