【北アルプス縦走#4】薬師岳から花咲く五色ヶ原へ(3日目:五色ヶ原〜室堂)

登山日記

(2日目の記事はこちら →スゴ乗越小屋〜五色ヶ原まで

北アルプス・薬師岳からスゴ乗越を経て、静かな高原・五色ヶ原へ。

そしていよいよ、縦走の最終日となる3日目を迎えました。

2日間の歩みは、ガスに包まれた薬師岳、体力を試された北薬師岳、

きつい登り返しの連続、そして極楽のような五色ヶ原のテント場——。

最高の天気に恵まれたこの縦走、最後はどんな景色が待っているのか。ライチョウにもまた会えるのか。

最終日も怪我なく下山して、縦走を締めくくりたいと思います。

3日目の様子、最後までご覧ください!

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薬師岳〜五色ヶ原縦走 / akknさんの龍王岳(富山県)越中沢岳浄土山(富山県)の活動データ | YAMAP / ヤマップ

静かな五色ヶ原のテント場|水場のトラブル

周囲の物音に自然と目が覚めたのは、まだ3時過ぎ。すでにヘッドライトを灯して撤収を始めている人も多くいます。

テントの外に出ると、空は快晴。星もまだ瞬いていました。まずはトイレと朝ごはん。

しかしここで予想外の出来事が。

水場が、枯れていました。

昨晩までしっかり出ていたのに、まさかの「今朝だけ水ゼロ」。

山と高原地図にも「水場枯れることあり」とは書いてありましたが、昨日よく出ていたせいで完全に油断していました。(てか「山と高原地図」の情報は正確無比。登山には必須ですね!)

幸い朝食分の水は残っていたので、フリーズドライの味噌汁、春雨スープ、鮭雑炊2個で朝ごはんを摂りました。

朝4時半 五色ヶ原テント場から見る朝焼け
朝4時半 五色ヶ原テント場 朝焼けはじまりそう!

モルゲンロートに染まる五色ヶ原

4時半、テントを撤収し五色ヶ原山荘へ向かいます。

五色ヶ原テント場から山荘へ 振り返ると月と朝焼け
五色ヶ原テント場から山荘へ 振り返ると月と朝焼け

遠回りして山荘へ行くのは水を購入するためです。

ここで500mlのペットボトルを2本購入。1000円の思わぬ出費笑

山荘のスタッフさんによると、「昨日、水場の元で怪しいなとは思ったんですよね」とのこと。

事前に聞いておけばよかったと反省しました。

ともあれ水が補給できてひと安心。水分をケチって熱中症になってしまったら元も子もないですからね。

さあ、室堂へ向かって歩き出します。

モルゲンロートに染まる五色ヶ原山荘(五色ヶ原山荘付近で撮影)
モルゲンロートに染まる五色ヶ原山荘

朝の光に染まる木道、振り返れば、五色ヶ原山荘がモルゲンロートに照らされていました。

咲き残るイワギキョウが「また来てね」と語りかけてくるようで、少し名残惜しさを感じながら歩き出します。

イワギキョウ「また来てね!」と言ってます笑(五色ヶ原山荘付近で撮影)
イワギキョウ「また来てね!」と言ってます笑

ザラ峠から獅子岳へ|五色ヶ原を振り返る稜線歩き

そびえる獅子岳 写真下の鞍部が「さらさら越え」のザラ峠(ザラ峠付近で撮影)
立ちはだかる獅子岳 写真下の鞍部が「さらさら越え」のザラ峠 

五色ヶ原と獅子岳の鞍部にあたるザラ峠は、戦国時代・佐々成政の「さらさら越え」で知られる歴史的なルート。

獅子岳まではガレ場の急登が続く(ザラ峠〜獅子岳の間で撮影)
獅子岳まではガレ場の急登が続く

ガレた登りが続きますが、一歩ずつコツコツと。登りの途中では、トウヤクリンドウやミヤマクワガタが励ましてくれるかのように咲いていました。

6時半、獅子岳に到着。ここからの展望は最高!

獅子岳山頂 標高2714m(獅子岳山頂で撮影)
獅子岳山頂 標高2714m
さっき歩いた五色ヶ原 左上は薬師岳(獅子岳山頂で撮影)
さっき歩いた五色ヶ原が見える! 左上はおととい登った薬師岳

振り返れば、五色ヶ原の台地が広がり、「あそこから歩いてきたんだ」と実感できる景色。

笠ヶ岳と黒部五郎岳 ほんっとにいい天気!!(獅子岳山頂で撮影)
笠ヶ岳と黒部五郎岳 ほんっとにいい天気!!
富士山と南アルプス 富士山見れると思わなかった〜!(獅子岳山頂で撮影)
富士山と南アルプス 富士山見れると思わなかった〜!

富士山、南アルプスの山々も遠望できて、まるでご褒美のような時間でした。

ここでは自然と登山者同士の会話も弾み、初対面でも一緒に歩いてきたような一体感がありました。このチーム感が嬉しいですよね。


雪渓の鬼岳|最後のピーク・龍王岳へ

鬼岳 東斜面をトラバースする道が見える 3回ほど雪渓あり(獅子岳〜鬼岳の間で撮影)
鬼岳 東斜面をトラバースする道が見える 3回ほど雪渓あり
1回目の雪渓 この時はアイゼンなしでOK(鬼岳東面で撮影)
1回目の雪渓 この時はアイゼンなしでOK

獅子岳から先は、鬼岳東面の雪渓トラバース。山荘の方々がステップを切ってくれていて、アイゼンが無くても大丈夫でした。五色ヶ原山荘がインスタで情報発信してくれていたのがありがたかったです。(2025年7月の情報)

雪渓がない場所では、斜面を見上げるとお花畑が広がる(鬼岳東面で撮影)
雪渓がない場所では、斜面を見上げるとお花畑が広がる

雪渓を横切る緊張感のある時間を抜けると、再び岩場の登り。

雪渓の緊張感が終わり、テンション上がって勢いよく登る笑(鬼岳〜龍王岳の間で撮影)
雪渓の緊張感が終わり、テンション上がって勢いよく登る笑

そして7時過ぎ、龍王岳直下の分岐に到着。ザックをデポして、空身で山頂を目指します。

龍王岳、登頂! 標高2872m(龍王岳山頂で撮影)
龍王岳、登頂! 標高2872m

龍王岳山頂からの景色は——

360度の大展望。

赤牛岳→笠ヶ岳→黒部五郎岳→薬師岳 中央は五色ヶ原(龍王岳山頂で撮影)
赤牛岳→笠ヶ岳→黒部五郎岳→薬師岳 中央は五色ヶ原
裏銀座と槍穂高、左下に黒部湖(龍王岳山頂で撮影)
裏銀座と槍穂高 左下に黒部湖

五色ヶ原から薬師岳まで続く道、富山湾、能登半島、裏銀座、槍・穂高、赤牛岳、立山の主稜線……まるで山の図鑑のようなパノラマ。

北には剱岳どーん(龍王岳山頂で撮影))
北には剱岳どーん 

室堂から龍王岳まで来て、立山三山登るのもありですね。それぐらい価値ある景色です。


浄土山を越え室堂平へ|ライチョウに再会

龍王岳から先は、15分ほどいくと富山大学・立山研究所がある浄土山(南峰)です。
ここで道は三方向に分かれます。

奥に見えるのは立山・雄山(富山大学立山研究所で撮影)
奥に見えるのは立山・雄山

分岐から10分で浄土山・北峰に着きます。山頂らしい標柱は見当たらず、代わりに軍人霊碑が静かに立っていました。

浄土山・北峰にある軍人霊碑(浄土山で撮影)
浄土山・北峰にある軍人霊碑 
浄土山から室堂山展望台への急坂 岩のくだり慎重に。。(浄土山から室堂山の間で撮影)
浄土山から室堂山展望台への急坂 岩のくだり慎重に。。

さらに浄土山から30分ほど下ると、室堂展望台。ここで偶然、オコジョの目撃情報があり、人だかりに。

一瞬だけ見えたその姿を、夢中でカメラに収めようとするも……ピント合わず。オコジョ、動き早すぎ!笑

オコジョ撮影は出来ず笑 でも風景はしっかり撮れます!もう見慣れた景色ですね(赤牛岳、笠ヶ岳、薬師岳、中央に五色ヶ原)
オコジョ撮影は出来ず笑 でも風景はしっかり撮れます!もう見慣れた景色ですね(赤牛岳、笠ヶ岳、薬師岳、中央に五色ヶ原)

そして、さらに歩くとまたもやライチョウに遭遇

ライチョウ、今回2度目の遭遇(室堂山展望台付近で撮影)
ライチョウ、今回2度目の遭遇 

まるで最後のお見送りのように、静かに佇むその姿に、心が癒されました。


賑わう室堂|静かに3日間の縦走フィナーレ

岩畳を下り、観光客の姿が増えてくると、「ああ、山旅も終わりだな」と実感。

室堂平 3日間の縦走が終わりに近づく(室堂山展望台から室堂平の間で撮影)
室堂平 3日間の縦走が終わりに近づく
室堂平から見る立山三山 観光客も登山者も、みんなこの景色には心打たれます(室堂平で撮影)
室堂平から見る立山三山 観光客も登山者も、みんなこの景色には心打たれますね

10時過ぎ、室堂ターミナルに到着。予定よりだいぶ早く着きました。

雄山が堂々とそびえ、登山者と観光客でごった返す中、旅の終わりを迎えました。

帰路はまず、室堂から美女平行きのバスへ。

弥陀ヶ原の散策も検討しましたが、情報では道が悪く断念。
バスの運転手さんも「歩くのは大変ですよ」とアナウンスしてくれていたので、今回は見送りました。

バスの車窓から弥陀ヶ原 散策は今回は見送りました(立山黒部アルペンルートのバス車窓から撮影)
バスの車窓から弥陀ヶ原 散策は今回は見送りました

美女平からはケーブルカーで立山駅へ。

立山駅、到着!もう、暑いって。(立山駅で撮影)
立山駅、到着!もう、暑いって。

立山駅は、もう真夏の暑さ。

駐車場の自分の車に戻り、まずは温泉。3日分の汚れを洗い流したい!
グリーンパーク吉峰(立山吉峰温泉ゆ〜ランド)へ行きました。

さっぱりした後は、立山あるぺん村で昼食。

立山あるぺん村でランチ 富山ブラックラーメンと氷見牛メンチカツ
立山あるぺん村でランチ 富山ブラックラーメンと氷見牛メンチカツ

お腹を満たし、お土産に雷鳥の里とホタルイカの沖漬けを買って、山梨へ4時間の長時間ドライブ。

こうして、3日間の山旅が幕を下ろしました。


まとめ|最高の山旅!再訪を誓う

今年の夏の大きな目標にしていた「五色ヶ原縦走」

3日間、天気に恵まれたのが何よりです!

もちろんたくさんの花にも、素晴らしい景色にも、ライチョウにも2回出会えて、良き山行になりました。

ただ、やり残したことがひとつ。

「クロユリの群落を満開で見たかった」

そして、早くも来年の目標ができました笑

「もう少し早めに来て、五色ヶ原のクロユリに会いに来よう」

その時は縦走ではなく、室堂からのピストンにしようかと。今回の教訓です。

折立からの縦走はほんとにしんどかったですから笑

北薬師岳 標柱(北薬師岳山頂で撮影)
きつかった北薬師岳

でも一度は歩いてみる価値「あり」です! ありありの有りです!笑

五色ヶ原と薬師岳の景色 この景色を、また来年も見にきます!(浄土山〜室堂で撮影)
この景色を、また来年も見にきます!(浄土山〜室堂で撮影)

このルートを計画されている方の参考になれば嬉しいです。

最後までご覧いただきありがとうございました!


↓【北アルプス縦走3】2日目 スゴ乗越小屋〜五色ヶ原 

↓【北アルプス縦走2】1日目 折立〜薬師岳ゴ乗越小屋

↓【北アルプス縦走1】薬師岳〜五色ヶ原:折立から3日間の山旅スタート(装備・アクセスまとめ)

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