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「日帰りの予定なのに、ヘッドランプって要るんだろうか。」
登山を始めたころ、私もそう思っていました。
明るいうちに下りてくるつもりなのだから、使うことはないだろう、と。
ただ、秋の山では、その「つもり」が当てにならないことがあります。
私自身、10月末の山で紅葉に見とれているうちに、下山の途中で真っ暗になったことがあります。

結論から書きます。
ヘッドランプは、ザックに必ず入れておく道具です。(←使うことがなくても。)
この記事では、秋の日帰り登山でヘッドランプが必要な理由と、初めての1本の選び方、それから持ち方で気をつけたいことをまとめます。
結論|秋の日帰りで知っておきたい4つのこと
| 疑問 | 答え |
|---|---|
| 日帰りでも必要? | 必要です。秋は明るい時間が少なくなります |
| スマホのライトではダメ? | 代わりにはなりません。片手がふさがり、スマホの電池も消耗します |
| どれを選べばいい? | 登山道では100ルーメン前後を使えて、必要なときにさらに明るくできるもの。重さは100g前後が目安です |
| 気をつけることは? | ザックの中での誤点灯と、電池の扱いです |
この中でいちばん見落とされやすいのは、いちばん下の誤点灯です。
気づかないうちに電池を使ってしまい、いざというときに電池が切れていることがあります。
順番に見ていきます。
秋の日帰りでヘッドランプを持つ理由
秋は、日が短くなります。
山梨の甲府では、9月の初めと10月の終わりを比べると、日の入り時刻が1時間20分ほど早くなります。
しかも山の中は、日の入りの時刻より早く暗くなります。
樹林帯や谷筋、北向きの斜面では、太陽が稜線の陰に入った時点で足元が見えにくくなります。
日の入り時刻の変化については、秋の計画そのものの話として別の記事にまとめました。
▶関連記事:秋の登山で気をつけたいこと|夏山と何が変わる?
下山が遅くなる理由は、道に迷ったとか、ケガをしたとか、そういう大きなことばかりではありません。
紅葉がきれいで、写真を撮りすぎた。
山頂の景色がよくて、長居してしまった。
誰にでもありえることです。
私が下山中に真っ暗になったときも、初めて見る紅葉に浸りすぎたのが理由でした。
ヘッドランプを持っていたので、慌てずに下りられました。
結果としては、昼とは違う山を楽しめた夜になりました。
もし、持っていなかったら。
焦って下山して、ろくなことになっていなかったでしょう。

スマホのライトでは代わりにならない
スマホにもライトがついているし、それで足りるのでは、と思うかもしれません。
私は、代わりにはならないと思っています。
| スマホのライト | ヘッドランプ | |
|---|---|---|
| 手 | 片手がふさがる | 両手が空く |
| 照らす向き | 手で持った向き | 見ている方向 |
| 電池 | 地図・GPS・連絡と共用 | 照らすことだけに使える |
| 落としたとき | 明かりと地図を同時に失う | 明かりだけで済む |
暗い登山道では、木の枝をよけたり、岩に手をついたりと、両手を使う場面が出てきます。
片手がふさがっているだけで、歩きやすさが変わります。
それに、山でスマホの電池を減らすのは避けたいところです。
地図アプリ、GPS、それから何かあったときの連絡手段を兼ねているからです。
スマホのライトは、ヘッドランプが使えなくなったときの最後の手段として考えておくのがいいと思います。
初めての1本を選ぶときに見る3つ
明るさ|登山道を歩くなら100ルーメン前後
明るさは、ルーメンという単位で表示されています。
数字が大きいほど明るく、遠くまで届きます。
ちなみに私が使っているヘッドランプは、3段階に切り替えられるタイプです。
| 明るさ | 届く距離の目安 | 使う場面 |
|---|---|---|
| 5〜10ルーメン | 10mくらい | 休憩中、地図を見る、テントの中 |
| 100ルーメン前後 | 40mくらい | 登山道を歩く |
| 300ルーメン前後 | 65mくらい | 分岐や、道が分かりにくいところを確認する |
※距離は私が使っているモデルの公表値です。同じルーメンでも、機種によって届き方は変わります。
登山道を歩くだけなら、100ルーメンくらいで足ります。
それでも、いちばん明るいモードが出せるかどうかは見ておきたいところです。
道が分かりにくいところで、遠くを照らして道標を探したい場面があるからです。
ただし、明るいモードは電池の減りが早くなります。
私のものも、いちばん明るい300ルーメンでの点灯時間は、公表値で約2時間半です。
ずっと最大にしておくものではなく、必要なときだけ上げる。そういう使い方になります。

電源|乾電池式か、充電式か
大きく分けて、乾電池式、充電式、その両方が使えるものがあります。
私が使っているのは乾電池式で、単4電池を3本入れるタイプです。
選んだ理由は単純で、切れても入れ替えればすぐ復活するからです。
充電式は、家での管理がしやすいのが利点です。
ただ、内蔵バッテリーだけのタイプは、山で切れたときに乾電池へ入れ替えられません。
私は日帰りなら、切れてもその場で入れ替えられる乾電池式のほうが気楽だと思っています。

重さと防水|100g前後、雨に耐えるもの
登山用のヘッドランプは、電池を入れて100g前後のものが多いです。
これくらいなら、使わない日もザックに入れっぱなしにできます。
入れっぱなしにできる重さかどうかは、けっこう大事だと思っています。
防水や防塵の性能は、IPX4やIP67といったIPコードで示されます。
どのくらいの雨に耐えられるかは製品によって違うので、IPコードとメーカーの仕様を見ておくと安心です。
家にある防災用のライトを持っていこうと考えている方は、特に見ておきたいところです。

ちなみに、私が使っているものにはロック機能がありません。
これから買うなら、ロックのついたモデルを選ぶと思います。
ここまでに書いた条件で選ぶなら、次の2つが分かりやすいと思います。
| ジェントス オーヴァ VA-05D | ペツル ティカ | |
|---|---|---|
| 明るさ | 300/100/30ルーメン | 350/100/7ルーメン |
| 重さ | 81g | 94g |
| 防水 | IP66・IP67準拠(1m防水) | IPX4(全天候型) |
| 電池 | 単4を2本 | 単4を3本/専用充電池コア対応 |
| ロック機能 | あり | あり |
| 赤色灯 | なし(暖色LEDあり) | あり |
| 価格の目安 | 3,000円前後 | 6,000円前後 |
※ティカの明るさは、単4電池を使ったときの数字です。専用充電池コアを使うと最大450ルーメンになります。
価格と防水で選ぶなら、ジェントスです。
1m防水と1m落下耐久まで書かれているので、雨の日に使うことが多い方はこちらが安心だと思います。
乾電池と充電池を使い分けたいなら、ペツルのティカです。
単4を3本入れるタイプで、赤色灯もつきます。
本体の保証が5年あるのも、山道具としては心強いところです。
持ち方で気をつけたいこと
ザックの中で、勝手に点いていることがある
これは、私が実際にやりました。
ザックの底に入れていたヘッドランプが、荷物に押されてスイッチが入り、点いたままになっていました。
ボタンが1つだけのシンプルなモデルは、特に起きやすいです。
やっかいなのは、こうなっていることに、山ではなかなか気づけないことです。
そのまま気づかずに電池を消耗すると、暗くなってから取り出したときに、十分な明るさが残っていない可能性があります。

対策は難しくありません。
- 出発前にスイッチを押して、点くことを確認する
- ロック機能がついているモデルなら、ロックしてからしまう
- 小さい袋に入れて、他の荷物に押されないようにする
- 長く山から離れるときは、ザックから出して電池を抜いておく
これから買う方は、ロック機能があるかどうかを見ておくと、この心配が減ります。
電池を1本だけ逆に入れる方法は、やめておく
誤点灯を防ぐ方法として、電池を1本だけ逆向きに入れておく、というやり方が知られています。
これは、やめておいたほうがいいです。
ペツルは公式サイトで、はっきり注意しています。
電池を逆にセットすると、逆に入れられた電池はその他の電池から充電されてしまいます。(中略)数分のうちに電池から可燃性のガスや腐食性のきわめて高い液体が漏れ出すことがあり、破裂や火災の原因となる恐れがあります。

逆向きに入れるくらいなら、1本まるごと抜いてしまうほうが確実です。
抜いた電池は本体と一緒に袋に入れておけば、失くすこともありません。
予備の電池を、ザックに入れっぱなしにしておく
私は毎回、予備の電池を持っていきます。
単4電池3本なので、予備も3本です。
重さはたいしたことがありません。
そのかわり、これがあるだけで気持ちがずいぶん楽になります。
山でヘッドランプの電池が切れて困ったことは、今のところ一度もありません。
持っているから切れない、というだけの話ですが、それでいいと思ってます。

ザックのどこに入れておくか
意外と大事なのが、ザックの中のどこに入れておくかです。
底のほうに入れてしまうと、いざ必要になったときに荷物を全部出すことになります。
暗くなりかけた登山道で、ザックを広げて探すのは、あまりやりたくない作業です。
雨蓋の中や、サイドのポケット。
手を突っ込めば届くところに定位置を決めておくと、慌てずに済みます。
そして、行き先や季節が変わっても、その場所は変えないことです。
「あそこに入っている」と体が覚えていることが、いちばんの備えになります。

明かりを、人の顔に向けない
暗い時間に歩くと、同じように歩いている人とすれ違うことがあります。
ヘッドランプは頭につけるので、相手を見るとそのまま顔を照らしてしまいます。
暗さに慣れた目に強い光が入ると、しばらく足元が見えなくなります。
すれ違うときは、少し下を向くか、明るさを一段落とす。
それだけで、お互いに歩きやすくなります。

まとめ|ザックの定位置を決めておく
秋の日帰り登山とヘッドランプについて、4つにまとめます。
- 日帰りでも持っていく。秋は日が短くなります。
- スマホのライトは代わりにならない。片手とスマホの電池を、明かりのために使ってしまいます
- 選ぶときは、100ルーメン前後で歩けて、必要なときに明るくできるもの。重さは100g前後、防水はIPコードを確認します。ロック機能があるとなお安心です
- 誤点灯と電池に気をつける。出発前に一度点けて、予備の電池も入れておきます
ヘッドランプは、ザックに必ず入れておく道具です。使うことがなくても。
だからこそ、ザックの中の定位置を決めて、入れっぱなしにしておくのがいちばんだと思います。
ちなみに、暗い時間は避けるものとは限りません。
暗いうちから登ると、日の出や雲海に会える日がありますよ。

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