10月の山って、いつまで「秋」でいられるんでしょうか。
紅葉の写真を見て「今週末あたり行けそう」と思ったとき、標高の高い山だと少し迷いませんか。
「まだ大丈夫だよね」
「でも、もう雪って降るのかな」
調べても「例年は11月から」くらいしか出てこなくて、結局その年しだい、という話になります。
私も、行ってみるまで分かりませんでした。
2025年10月29日、群馬県の武尊山(ほたかやま・2158.3m)に紅葉登山に行きました。
結果から言うと、登り始めて48分で、まわりは雪になりました⛄️

この記事は、その日の記録です。
コース概要
武尊神社(裏見ノ滝)登山口から、手小屋沢避難小屋を経て武尊山へ。
下りは剣ヶ峰山をまわる周回コースです。
武尊神社(裏見ノ滝)登山口 → 手小屋沢避難小屋 → 鎖場 → 武尊山 → 日本武尊像 → 剣ヶ峰山 → 武尊神社(裏見ノ滝)登山口(周回)
- 距離:12.1km
- 行動時間:6時間40分(標準コースタイム7時間51分)
- 累積標高差:のぼり1,283m/くだり1,282m
- コース定数:31
- 天気:雪のち晴れ
【登山日記】紅葉の森から、雪の山頂へ
7時12分に武尊神社を出て、13時52分に戻るまで。
秋から冬へ、そしてまた秋へ戻ってきた一日です。
武尊神社から、紅葉の森へ
今シーズン最後の平日休みでした。
二日間で群馬の百名山を二座歩くつもりで、その一日目が武尊山です。
▶関連記事:日本百名山一覧【2026年版】エリア別・難易度・初心者向けも解説
7時12分、武尊神社の登山口を出発しました。

登山口のすぐ先に、赤い鳥居と小さな社の武尊神社があります。

ここから林道をしばらく歩きます。
入口には「一般車両通行規制」の看板が立っていて、車はここまでです。
落ち葉を踏みながら25分ほどで、林道の終点に着きました。
ここから先が登山道です。
入口の道標に、こう書いてありました。

手小屋沢関門まで 距離2.1km D+506m 標高差476m
武尊山 山頂まで 距離3.7km D+910m 標高差850m
山頂まで3.7kmで、標高差850m。
数字だけ見れば、日帰りとしてはふつうの山だなと思ってました。
登り始めて48分|笹の上に雪
7時55分、沢沿いを歩いていました。
水の流れのまわりだけ、黄色と赤が残っています。

このときはまだ、完全に秋の山でした。
その5分後。

笹の上に、白いものがありました。
最初は「霜かな」と思ったくらいの量です。
でも、さらにそこから3分歩いただけで、こうなりました。

紅葉した葉の上に、雪が積もっています。
登山口を出て48分。
小雨だったのが、いつのまにか雪に変わっていたのです。
手小屋沢避難小屋
8時40分、手小屋沢避難小屋に着きました。
このあたりでは、もうレインウェアを着ていました。

中も見てきました。

木のすのこが敷かれていて、数人なら横になれそうな広さです。
小屋の手前の道標には、もうエビの尻尾がついていました。

エビの尻尾は、風上に向かって氷が伸びていく現象です。
このあたりではすでに、風が冷えていたということです。
霜柱とつらら
9時を過ぎたあたりで、登山道の様子が変わりました。
土の斜面から、細い氷がびっしり伸びています。

霜柱です。
すぐ隣の岩の下には、つららが下がっていました。

これが、10月末の武尊山の登山道です。
雪だけでなく、地面もすでに凍っていました。
雪の詰まった鎖場
9時32分、このルートの核心部であるロープ・鎖場に入りました。
武尊神社からのコースで、いちばん気を使うところです。
岩の割れ目にロープや鎖が垂れています。


そして、その先がこれでした。

足跡があります。
自分より前に、誰かが登っていました。
実際、この鎖場では下ってくるソロの方と一人すれ違っています。
鎖は、所々凍っていました。

通過にかかったのは、9時32分から9時42分までの10分ほど。
足元の雪も凍った鎖も、グローブで問題なく通過できました。
山頂2158.3m、積雪3センチ
9時51分、鎖場を越えて稜線に出ました。
ところが。ガスで真っ白です。

10時02分、武尊山の山頂に着きました。


山頂の積雪は3センチほどでした。
数字にすると大したことはありません。
でも、草も岩も全部白くて、見た目は完全に冬山でした。
山頂から東へ5分ほど歩いたところに、日本武尊(やまとたける)の像があります。
せっかくなので、見に行きました。

霧氷ごしの紅葉
私が日本武尊像を見ているあいだに、山頂から剣ヶ峰山へ向かったソロの方が二人いました。
私もそのあとを追う形で、剣ヶ峰山へ歩き出します。
11時をまわったころ、少しずつガスが切れはじめました。

手前の枝は、雪に覆われています。
その向こうの斜面は真っ赤。
上は冬で、下は秋でした。

11時40分、剣ヶ峰山に着きました。
二段紅葉と、泥の下り
剣ヶ峰山から下りはじめて、30分ほど。
12時08分、まわりにかかっていた霧が晴れました。
目の前の斜面が、一気に見渡せました。

斜面は紅葉。
枝には雪。
11時すぎからガスの切れ間に少し見えていただけの紅葉の秋山が、突然、目の前いっぱいに現れました。
この日いちばんの景色でした。

ここから先の下りは、急です。
しかも登山道は土と泥でぐちゃぐちゃでした💦

登りは雪で、下りは泥。
難しさの質が、まるっきり違います。
何度かツルッと滑りました。
標高を下げるにつれて、雪はなくなっていきます。
そして12時47分、空が晴れました。
朝に見るはずだった紅葉が、下山で全部見られました。
これが何よりの救いでした。


13時52分、駐車場に戻りました。


駐車場では、谷川岳エコツーリズム協議会の方と少し話をしました。
前の日から山は白くなっていて、この日は今シーズン一番の冷え込みだったそうです。
周辺のパンフレットまでいただきました。ありがとうございます。
あとで調べてみると、前橋地方気象台が武尊山の初冠雪を発表したのは、この日でした。
平年より9日早く、関東では今シーズン初めての初冠雪です。
私は、武尊山の初冠雪が観測された日に歩いていたことになります。
10月下旬に武尊山へ行くなら
この日歩いてみて、10月下旬に武尊山へ行くなら、という話です。
持っていた:レインウェア、グローブ
持っていなかった:チェーンスパイク、軽アイゼン
山頂の積雪は3センチほどで、鎖場もグローブで問題なく通過できました。
この日の積雪と路面の状態なら、持っていたとしても、たぶん履かなかったと思います。
ただ、雪の量や凍結の状態は、その年、その日の天気で変わります。
| 持ち物 | なぜ |
|---|---|
| 防水グローブ | 鎖を握る。冷たいだけでなく濡れる |
| レインウェア | 雨だけでなく、雪と風も防ぐ |
| 替えの靴下・タオル | 下りは泥。足元が濡れる |
| ヘッドランプ | 10月は日が短い。予定が崩れたとき用 |
ヘッドランプを日帰りでも持っていく理由は、別の記事にまとめました。
▶関連記事:秋の日帰り登山にヘッドランプは必要?
そして服装ですが、レインウェアは雨具としてだけでなく、雪や風を防ぐ外側の一枚として使えます。
この日も、雪が降り出してから下山まで着たままでした。
それともうひとつ、下りの泥です。
この日は、朝に凍っていた道が、昼には解けていました。
登りは雪で締まっていた道が、下りではぐちゃぐちゃになっていました。

滑って転ぶと、それだけで一日が終わります。
ゆっくり下りるつもりで、時間に余裕をもたせておいてください。
10月の山で夏と何が変わるのかは、別の記事にまとめました。
▶関連記事:秋の登山で気をつけたいこと|夏山と何が変わる?
アクセスと駐車場
今回使った登山口は、裏見の滝駐車場です。
停められるのは20台くらい。
トイレがあります。
駐車場から先の林道には「一般車両通行規制」の看板が立っていて、車はここまでです。

この日は平日だったこともあり、7時すぎの時点では4台ほどでした。
下山してきた13時50分ごろには、もう少し増えていました。
下山後、少し歩いて裏見の滝を見てきました。

駐車場から往復40分ほどの遊歩道です。
紅葉の中の、迫力のある滝でした。
まとめ|紅葉と雪が同じ日にあった山
2025年10月29日の武尊山は、こういう日でした。
- 7時55分 沢沿いは紅葉だけ
- 8時00分 笹の上に雪。登り始めて48分
- 9時21分 霜柱とつらら
- 9時32分 雪の詰まった鎖場
- 10時02分 山頂の積雪は3センチ
- 11時29分 霧氷ごしに真っ赤な紅葉
- 12時08分 霧が晴れて、二段紅葉
- 12時47分 晴れて、下山の紅葉
紅葉を見に行って、雪山になりました。
10月下旬の2,000m級は、紅葉の季節でありながら、もう冬の入り口でもあります。
武尊山そのものは、鎖場はありますが、日帰りで歩けるいい山です。
紅葉の時期に行くなら、下山で振り返ったときの斜面が本当にきれいでした。


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