甲斐駒ヶ岳の山頂で、日の出を待っていました。
時刻は午前4時10分。
日の出まで、まだ50分近くあります。
真っ暗な山頂に、私ひとりでした。
甲斐駒ヶ岳の山頂を貸切です。
しかし、ここに来るまでに大きな失敗をしています。
1日目、スマホのバッテリー切れで山行計画が真っ白に。
紆余曲折ありつつも、2日目の早朝に甲斐駒ヶ岳の頂に立つことができました。
この記事では、お盆真っ只中の甲斐駒ヶ岳、アサヨ峰の1泊2日テント泊の登山記録をお送りします。
一筋縄では行かない、予定通りにならない山行でしたが(笑)、振り返ると最高の思い出になった2日間でした。

山行データ
| 山 | 甲斐駒ヶ岳(2,967m)/アサヨ峰(2,799m) |
| 日程 | 2026年8月15日(土)〜16日(日)1泊2日 |
| テント場 | 北沢峠・長衛小屋 |
| アクセス | 戸台パーク(仙流荘)から南アルプス林道バス |
| 1日目 | 北沢峠〜長衛小屋〜栗沢山(往復) |
| 2日目 | 長衛小屋〜仙水峠〜駒津峰〜甲斐駒ヶ岳〜摩利支天〜栗沢山〜アサヨ峰〜長衛小屋 |
| 2日目の行動時間 | 約10時間(0:50発〜11:56着) |
| 山梨百名山 | 甲斐駒ヶ岳=98座目/アサヨ峰=99座目 |
前夜10時の戸台パーク
金曜の夜10時に、戸台パークに着きました。
翌朝の始発バスに乗るため、前日入りして車中泊します。
着いてまずやったのが、「バス乗車の列」の場所取り。
すでに荷物がぽつぽつと一列に並んでいます。
ここにペットボトルを置いておきました。

戸台パークには「バス乗車の列」と「乗車券購入の列」があります。
この日は「乗車券購入の列」には場所取りがされていませんでした(前夜10時時点)。
乗車券は、バス発車時刻の30分前と公式サイト(南アルプス林道バス)に記載されているので、5時15分。
念のため4時30分には「乗車券購入の列」に並ぶことにしました。
これで安心して車で仮眠できます。
お盆の南アルプスは、前の晩からもう始まっています。

15分早く出た始発バス
仮眠を済ませ「乗車券購入の列」に行ってみると、場所取りが始まっていました。

20番目に場所取りをして、車に戻り、身支度を済ませます。
戸台パークからは、鋸岳がよく見えました。
まだ薄暗い空に、稜線が黒く浮かんでいます。

きっぷが売り出されたのは、5時ちょうどでした。

公式の5時15分より、15分前倒し。
始発バスも、15分早い5時30分に出発しました。
アナウンスはありません。
私は写真を撮って回っていて、危うく乗り遅れるところでした。
戻ったら自分のザックを置いた列はもう動き始めていて、ぎりぎりで滑り込みました。
周辺散策はほどほどに、列で待機することをおすすめします(笑)
ちなみに帰りのバスも、案内された時刻より10分早く出ています。

この日は行きも帰りも、定刻より早い出発でした(帰りは12時台に臨時便)。
混雑時は臨時便などで運行が変わることもあるので、早めに乗り場で待つのが安心です。
バスは左側に座ったほうが景色がいいです。
鋸岳や、幕岩という石灰岩の岩が見えます。

私は右側に座ってしまって、ほとんど見えませんでした。
選べるようであれば、左側がおすすめです。
南アルプス林道バス
| 運賃 | 大人 片道1,150円 18L以上の手回り品は+220円(合計1,370円) |
| 乗車券の有効期間 | 購入日から5日間 |
| 支払い | 現金のほかクレジットカード・QRコード決済・電子マネー可 |
| 手荷物 | 18L以上は有料。ザックはひざ上に抱えて乗車 |
| 乗車時間 | 戸台パーク〜北沢峠 約50分 |
| 駐車場 | 5日間まで1,000円(以降5日ごとに1,000円) |
| 南アルプス登山者協力金 | 1口500円(券売機で選択。「協力しない」も選べる) |
| 運行期間 | 11月3日まで(2026年) |
北沢峠と長衛小屋
北沢峠に着いたのは6時15分ごろ。

バスを降りた瞬間、肌寒いと感じました。
標高は約2,000mあります。
私はそのとき長袖シャツ1枚で、正直、何か羽織るものが欲しい状態でした。
北沢峠から長衛小屋までは、10分ほど下ります。


建物の外でテント宿帳を記入して、小屋に入り受付します。
料金は1,000円(1人)です。
テント泊の予約は不要でした(2026年)。
北アルプスと比べると破格の安さ!この時点で嬉しいです😆
さらに言われた一言が、この山行で一番ありがたかったかもしれません。
帰るまでテント張ってて大丈夫ですよ。
撤収時間の指定がない!
これは本当に助かりました。

バス利用がほとんどのテント泊ハイカーのことを思った対応ですね。感謝感謝🙏
受付が終わって早速テント設営です。
河原の方に降りるとテント場。お盆なのにまだ空きがあり、一安心です。
でも小屋の近くはすでに埋まっていて、昨日から泊まっているテントもありました。
私は少し奥の、下ったところに張りました。
トイレからは遠くなりますが、平らで土がよく慣らされてあるので迷わず決めました。
地面は河原の砂利で、ペグがよく刺さります。
石もごろごろしているので、ペグが効かないところは石で押さえられます。

▶関連記事:テント泊登山の装備リスト|初めての1泊2日に必要な持ち物
長衛小屋・テント場のトイレは、2026年8月時点で改築中。
今は仮設トイレが設置されていました。

新しいトイレの建物はほぼ完成していて、まだコーンで仕切られています。

長衛小屋の売店

売店のメニューが充実していたので、載せておきます。

| もつ煮 | 1,200円(夜7時まで) |
| おでん | 800円 |
| アルファ米 | 600円 |
| カップヌードル | 500円 |
| おつまみ各種 | 300円 |
| アルコール類 | 400円〜 |
| ココア・コーヒー | 100円〜 |
| 荷物預かり | 1個300円(夜7時までに手続き) |
| 登頂記念バッヂ | 各700円(仙丈ヶ岳・甲斐駒ヶ岳・鳳凰三山・アサヨ峰・栗沢山) |
もつ煮もおでんも、コッヘル持参が条件らしいです。
もつ煮とおでんは夜7時まで、ホットドリンクの提供は15時まで。
黒板には「自身であたためてね!」と書いてありました。
栗沢山|山頂手前でスマホダウン!
テントを張り終えて、7時50分に歩き出しました。
この日の予定は、栗沢山とアサヨ峰です。

登り始めてすぐ、これはきついなと思いました。

とにかく息が切れます。
写真を撮りながら登っていきました。


森林限界を超え、さあもうすぐ山頂!と思ったその時です。
ーーースマホが真っ暗にーーー
「え!?」
バッテリー切れです。
登るのに夢中でバッテリー消耗を忘れていました。
でも今回は、モバイルバッテリーを3つ持ってきています。
アタックザックを降ろし、中にあるはずのモバイルバッテリーを探します。
「?」
「あれ?………ない。」

そうです。
モバイルバッテリーはテントの中に置いたまま。
アタックザックに入れ忘れていました。
「マジかー😭」
失意のまま、とりあえず栗沢山の山頂までは登りました。
山頂はガス。周りは真っ白で何も見えません。

このまま軌跡なしでアサヨ峰に行くか、テント場に戻るか。
少し悩みましたが、今はアサヨ峰を諦めて、とりあえずテント場に戻る決断をしました。
長衛小屋に戻ったのが10時10分でした。
テント場|記録のない登山
テントに戻ってモバイルバッテリーをつなぎ、スマホが復活したのが10時20分ごろでした。
栗沢山からの帰り道で、ずっと考えていました。
- スマホが切れて、写真が撮れなくなった。
- YAMAPの軌跡が切れた。
- あのままアサヨ峰に行っても、山梨百名山の記録が残らない。
軌跡や記録が残らなかったら、登った意味がないような気がしました。
でも。昔の人はそんなものが無くても、山に登っていました。
それが今は、記録が残らないとダメ、写真が残っていないとダメ、という風に自分がなっていました。
現代登山の考え方に支配されていたんだなと思います。
…。
何が言いたいのか、自分でもよく分かりません(苦笑)
でも、そんなことを考えていました。

雨の午後と、明日の計画組み直し
テントに戻って1時間ほどした11時20分ごろ、天気雨が降り出しました。
テントの外に出ると、まだ設営している人がいます。
雨の中の設営は大変です。
早めに戻ってこられて、よかったと思いました。
この雨は一度やみました。
でも13時半ごろから、今度はしっかり降り始めます。
降ったりやんだりが、ずっと続きました。

この雨は、実は想定内でした。
入山前日の昼と夕方5時に、天気を2回調べています。
てんくらやウェザーニュースなど複数の予報を確認し、AIにも情報整理を手伝ってもらいました。
「1日目の午後は雨や落雷に注意。2日目は天気が回復」という予報です。
長衛小屋は電波が入らないので、最新の天気はスマホで確認できません。
前日に調べた予報を信じて動くことになります。
結果として、事前の予報どおりでした。
そして、明日の計画を組み直しました。
甲斐駒ヶ岳に登ってから、栗沢山を越えてアサヨ峰まで行く。
2日目に全部詰め込む形にしました。
そのぶん、出発をかなり早くする必要があります。
今日は15時ごろから夕食をとって、18時には床につくことにしました。
とはいっても、雨のテントの中ではすることも限られます。
私の定番は文庫本。今回は新田次郎の『孤高の人』を持ってきました。
ワイヤレスイヤホンで音楽を聞くのも良かったです。
リラックスしすぎて明日に影響が出なければいいのですが(笑)

15時ごろから夕食の準備を始めます。
長衛小屋はテント場近くに川が流れているのでそこで飲み物を冷やせます。
私は持ち込んだビールとチューハイをビニール袋に入れて冷やしておきました。
柿の種とソーセージ、缶詰をジップロックに移したものをつまみに1杯やりました。

締めは無印良品のユッケジャンと、尾西のアルファ米(白米)です。
インスタで見た組み合わせを真似してみました。
これがけっこう美味しくて、ペロリといけました。

▶関連記事:初めてのテント泊|テント場到着後の流れと過ごし方
横になったのは18時ごろです。
張った場所が通り道に近かったので、なかなか寝つけませんでした。
トイレに行く人の足音や話し声が、寝ていても耳に入ってきます。
18時ごろは周りもまだ夕食どきで、くつろぎたい時間ですし。
テントを張る位置は、なかなか難しいものです。


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