8月も後半に入ると、そろそろ山に行きたくなります。
でも、甲府盆地はまだまだ暑い。
昼間に低山を歩く気には、なかなかなれません。
そんな時期でも、場所を選べば涼しく歩けます。
残暑でも涼しく歩ける2つの条件|標高と水辺
涼しい山を探すというのは、標高の高い場所を探すか、日の当たらない場所を探すか、そのどちらかです。
標高は100m上がるごとに、気温が約0.6℃下がります。
標高1,500mまで上がれば、平地より9℃ほど低い計算になります。
もうひとつが、森と水のそばを歩くこと。
直射日光が当たらず、沢沿いは風までひんやりしています。
この記事で紹介するのは、私自身が夏から初秋に実際に歩いた6ヶ所です。
標高で涼む高原が5ヶ所、水と森で涼む渓谷が1ヶ所。
1時間ほどで気軽に歩ける場所から、7時間かけてしっかり歩くコースまであります。
「暑いから山はやめておこう」ではなく、「暑いからこっちの山にしよう」と選べる場所を集めました。
今回の6ヶ所を、先にまとめて比べておきます。
データはすべて、私が実際に歩いたときの記録です。
| コース | 歩いた日 | 歩行時間 | 距離 | のぼり | タイプ |
|---|---|---|---|---|---|
| 霧ヶ峰・車山 | 2025年7月13日 | 2時間46分 | 4.1km | 183m | 王道の高原・風 |
| 白駒池・高見石 | 2023年8月27日 | 3時間23分 | 5.8km | 324m | 苔の森・木陰 |
| 入笠山 | 2026年7月4日 | 3時間23分 | 4.0km | 293m | ゴンドラ・花 |
| 美し森 | 2025年8月3日 | 1時間00分 | 1.7km | 93m | お手軽・八ヶ岳展望 |
| 大菩薩(ラウンド) | 2024年9月14日 | 7時間07分 | 13.6km | 1,311m | 稜線・歩きごたえ ※短く歩くなら上日川峠起点 |
| 西沢渓谷 | 2023年8月12日 | 3時間29分 | 8.5km | 726m | 滝と沢・水で涼む |
※歩行時間・距離・のぼりは、すべて私のYAMAPの記録です。休憩時間を含みます。

標高で涼む!山梨・長野の高原ハイク5選
まずは、標高を上げて涼しくなる5ヶ所から。
① 霧ヶ峰・車山|標高1,900mを吹き抜ける高原の風
涼しい高原と言われて最初に浮かぶのが、霧ヶ峰です。
標高1,900m前後の草原が広がっていて、木陰はほとんどありません。
それでも涼しいのは、高原を吹き抜ける風があるからです。
私が歩いたのは7月。
2時間46分、距離4.1km、のぼりは183mだけ。
愛犬のすいと一緒に、のんびり歩ける道でした。

ただ、正直に書くと、日差しを遮るものが本当に何もありません。
すいは暑そうにしていて、歩きながら日陰を探していました。

風は涼しいけれど、日向は暑い。
帽子と日焼け止めが、ここではしっかり効きます。

エリア:霧ヶ峰(長野県)
標高:1,925m(車山)
難易度:★☆☆☆☆
歩行時間:2時間46分(4.1km/のぼり183m)
アクセス:車山肩駐車場
ベスト:7月〜9月
▶関連記事:【霧ヶ峰】ニッコウキスゲ満開の高原ハイク!愛犬と歩くゆる百名山|ゆるハイク百名山 #3
② 白駒池・高見石|標高2,100m超の苔の森
この記事でいちばん標高が高いのが、白駒池です。
池のまわりは、苔に覆われた深い森。
標高・木陰・水辺という、涼しくなる条件が3つそろっています。

私が歩いたのは8月27日でした。
しかも、スタートは昼の12時23分。
午後から歩き始めて、白駒池から高見石、丸山をまわって3時間23分。
森に入ると、空気が変わります。
鬱蒼としていて、しっとりした感じ。

ただ、寒いというほどではありませんでした。
このとき役に立ったのが、麦草峠の無料駐車場です。
夏の白駒池は駐車場が混みますが、麦草峠の駐車場は昼になると少し空きが出ます。
実際、この日も昼に着いてすんなり停められました。
朝いちで場所取りをしなくてもいい、というのは午後スタート派にはありがたいところです。
時間があれば、高見石まで足を延ばすのをおすすめします。

白駒池を見下ろせて、いい眺めです。
8月末だったので、ワレモコウが咲いていました。
エリア:北八ヶ岳(長野県)
標高:2,115m(白駒池)/2,330m(丸山)
難易度:★★☆☆☆
歩行時間:3時間23分(5.8km/のぼり324m)
アクセス:麦草峠 公共駐車場(無料)
ベスト:7月〜9月
▶関連記事:【夏山絶景】ゆるハイカーが選ぶ、夏に歩きたい山4選
③ 入笠山|ゴンドラで上がる涼しい高原
歩いて登らずに標高を稼げるのが、入笠山の強みです。
ゴンドラで一気に上がってしまえば、そこから先はゆるやかな高原歩き。
暑い日にいちばん体力を使う「登り」を、まるごと省略できます。

しかも、ペットと一緒にゴンドラに乗れます。
ゴンドラを降りると、入笠湿原の木道が続きます。

私が歩いたのは7月で、3時間23分、のぼりは293m。
花を見ながら歩いていたので、距離のわりに時間がかかっています。

エリア:南アルプス北端(長野県)
標高:1,955m(入笠山)
難易度:★☆☆☆☆
歩行時間:3時間23分(4.0km/のぼり293m)
アクセス:富士見パノラマリゾート
ベスト:6月〜8月
▶関連記事:入笠山登山|ゴンドラで楽々!花と湿原と360度絶景の初心者向けガイド【ゆるハイク百名山】
④ 美し森|1時間で行ける、いちばん手軽な避暑ハイク
6ヶ所のなかで、いちばん手軽なのが美し森です。
歩いたのは8月3日。
家にいても暑すぎて、避暑地へ脱出しました。
清里は28℃。
車の温度計の数字です。
太陽を浴びると暑いですが、日陰なら涼しいレベル。
この日は、山に登るというより、暑さから逃げるために出かけました。
駐車場を出たのが12時36分、山頂に着いたのが12時43分。
歩いて7分です。
案内では約15分とされているので、私とすいのペースが少し速かったのかもしれません☺️

階段はきれいに整備されていて、すいと一緒でも問題なく歩けました。
ただ、短いぶん一気に登ります。
山頂に着いたときは「一気に来たから汗出た」と、その日の記録に書いていました。
標高を上げても、登れば汗はかきます。
山頂からは権現岳の方面が見えて、赤岳も少しだけ顔を出していました。

下山の途中、沢沿いで水が湧いていて、すいが水遊びをして満足そうにしていました。

クルマバナ、オダマキ、ホタルブクロ。
8月でも花が咲いていて、写真を撮りながらのんびりできました。
帰りに清泉寮のソフトクリームを食べるところまでが、この日の定番コースです。

全部で1時間、距離1.7km、のぼり93m。
「今日は暑いけど、少しだけ外を歩きたい」という日に、これ以上ちょうどいい場所はなかなかありません。
エリア:八ヶ岳南麓・清里(山梨県)
標高:1,542m(美し森山)
難易度:★☆☆☆☆
歩行時間:1時間00分(1.7km/のぼり93m)
アクセス:美し森駐車場
ベスト:7月〜9月
⑤ 大菩薩嶺|「低山だと暑いし」で選んだ、9月の稜線
もう少ししっかり歩きたい日は、大菩薩嶺です。
私が歩いたのは9月14日。
低山だと暑いし、なまった体に喝を入れる程度でハードすぎない山を探していました。
そうしたら、大菩薩じゃん、となりました。
ここまでの4ヶ所とは、歩いた規模が違います。
裂石の丸川峠分岐駐車場から丸川峠へ登り、大菩薩嶺、雷岩、大菩薩峠、石丸峠、上日川峠とまわって戻るラウンドルート。

7時間7分、距離13.6km、のぼりは1,311m。
正直に言うと、これは「ゆるハイク」ではありません。
ただ、稜線に出てからの景色は本当に気持ちがいいです。
混んでいたのは大菩薩嶺の山頂から介山荘までの区間だけで、あとは静かな山を歩けました。

もっと短く歩きたい場合は、上日川峠まで車で上がる定番ルートがあります。
そちらは別の記事にまとめてあります。

エリア:奥秩父(山梨県)
標高:2,057m(大菩薩嶺)/1,897m(大菩薩峠)
難易度:★★★★☆
歩行時間:7時間07分(13.6km/のぼり1,311m)
アクセス:丸川峠分岐駐車場(裂石)
ベスト:9月〜10月
▶関連記事:大菩薩嶺登山ガイド|初心者おすすめルートとアクセス・富士山絶景【ゆるハイク百名山】
水と森で涼むなら西沢渓谷
ここまでの5ヶ所は、標高で涼む場所でした。
西沢渓谷は、少し性格が違います。
起点の標高は1,100m前後。
ここまで紹介してきた高原と比べると、実はそれほど高くありません。
それでも8月に歩いたのは、沢と滝と深い森があるからです。
下界にいても暑いので、少しでも涼しい所へ。
そう思って選びました。

正直に書いておくと、めちゃくちゃ涼しいわけではありません。
標高1,100mなので、高原のようにひんやりしているわけではないです。
遊歩道の登りは、やっぱり暑い。
それでも、滝や渓谷には癒されました。

沢の水に手を入れると、しっかり冷たいです。
木陰と沢の音の中を歩いていると、確かに涼は感じます。
二俣吊橋を渡って、魚留滝、三重の滝と、水のそばを歩き続けるコース。

フグ岩やカエル岩など、名前のついた岩を探しながら歩くのも楽しい道です。
大展望台まで行くと、目の前に鶏冠山が見えます。
このとき「今年の秋に行くぞ」と書いていた鶏冠山には、後日ちゃんと登りました。

全部で3時間29分、距離8.5km、のぼり726m。
駐車場は、問題なく停められました。
標高を上げなくても、水のそばなら涼しく歩ける。
暑い日の行き先を考えるとき、これはけっこう使える選択肢だと思います。

エリア:奥秩父(山梨県)
標高:約1,100m(起点)
難易度:★★☆☆☆
歩行時間:3時間29分(8.5km/のぼり726m)
アクセス:西沢渓谷市営駐車場
ベスト:7月〜8月
▶関連記事:鶏冠山 日帰り登山|山梨百名山“最恐”四天王に挑む岩稜と渡渉の記録
目的別|こんな人におすすめの場所
「結局どこがいいの?」という人へ、目的別にまとめておきます。
- とにかく標高の高い場所へ → 白駒池・高見石
- 王道の高原歩きがしたい → 霧ヶ峰・車山
- 登りで疲れたくない・初心者と歩く → 入笠山
- 1時間で切り上げたい・犬と一緒に → 美し森
- しっかり歩きたい → 大菩薩
- 滝と沢で涼みたい → 西沢渓谷
私なら、残暑の時期は白駒池を選びます。
文句なしに涼しいからです。
標高が高い場所は、やっぱり確実です。
涼しい山でも必要な残暑対策
標高が高い=絶対に涼しい、というわけではありません。
霧ヶ峰は風が涼しくても、日向はしっかり暑い。
美し森は歩いて7分の山頂でしたが、それでも汗をかきました。
西沢渓谷も、めちゃくちゃ涼しいわけではないというのが正直な感想です。
残暑の時期に気をつけたいことをまとめます。
- 朝早く歩き始める 午後は気温が上がり、雷雲も湧きやすくなります
- 水は多めに持つ 涼しく感じても汗はかいています
- 帽子と日焼け止め 高原は直射日光を遮るものがありません
- 午後の雷雨に注意 開けた高原は逃げ場が少ない場所です
- 薄手の防寒着を1枚 朝夕と、風の強い稜線用に
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9月に入っても、まだ残暑
9月なら涼しいだろう、と思うかもしれません。
でも、9月14日に大菩薩を歩いたときは、まだまだ残暑で暑かったです。
標高2,000m近い稜線でも、9月の前半はそんなものだと思っておいたほうがいいです。
このときウインドブレーカーは持っていきました。
9月の後半に入って高い山へ行くなら、アウターが必要になる時期です。
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残暑に選びたい、涼しい行き先
暑い時期は、どうしても山から足が遠のきます。
でも、行き先を変えるだけで、夏でも気持ちよく歩けます。
標高を上げるか、森と水のそばを選ぶか。
やることはそれだけです。
8月後半から9月は、夏の花が残る一方で、草紅葉が始まる時期でもあります。
暑さを避けながら、季節の変わり目を歩きに行ってみてください。



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