奥多摩から雲取山テント泊縦走|石尾根を歩く1泊2日のロングルート

登山日記

2日目|雲取山でご来光を見て三条の湯へ

【2日目】五十人平野営場〜雲取山〜三条の湯

五十人平野営場 → 雲取山 → 三条の湯 → お祭バス停

  • 行動時間:約6時間25分
  • 距離:約16.6km
  • 獲得標高:778m

午前3時30分、暗闇の中を出発

午前2時30分に起床し、3時30分に五十人平野営場を出発しました。

雲取山の山頂でご来光を見るため、日の出時刻から逆算した出発です。

周囲はまだ真っ暗。

月明かりとヘッドランプを頼りに、静かな登山道を歩いていきます。

3時30分出発。月が明るい夜でした
3時30分出発。月が明るい夜でした

聞こえてくるのは、自分の足音だけ。

昼間とはまったく違う山の空気に包まれます。

小雲取山を過ぎた頃、東の空が少しずつ明るくなってきました。

東の空が少しずつ明るくなってきた
東の空が少しずつ明るくなってきた

暗闇の中を歩く緊張感と、もうすぐ夜が明けるという期待感。

この時間帯にしか味わえない独特の雰囲気があります。


雲取山山頂で迎えるご来光

午前4時20分、雲取山山頂に到着しました。

山梨百名山の標柱と日本百名山の山頂標識が出迎えてくれます。

山頂にはご来光を待つ人が5組ほど
雲取山山頂にはご来光を待つ人が5組ほど

そして、待ちに待った日の出です。

雲の間から、太陽がゆっくりと姿を現しました。

待ちに待ったご来光
待ちに待ったご来光🙏

朝日に照らされる山並み。

薄紅色に染まる富士山。

薄紅色に染まる富士山
薄紅色に染まる富士山

そして、前日に歩いてきた石尾根の稜線。

鷹ノ巣山、日陰名栗山、高丸山が連なり、その奥には大岳山御前山も見えています。

昨日歩いた石尾根 奥に大岳山と御前山
昨日歩いた石尾根 奥に大岳山と御前山

「あの稜線を昨日歩いてきたんだ」と思うと、景色の見え方も変わります。

僕は10年近く山を歩いてきましたが、雲取山で迎えたこの朝は、特に印象に残る時間になりました。

長い距離を歩き、重い荷物を背負ってきたからこそ、感動も大きくなります。

山頂で迎えるご来光は、それまでのしんどさをすべて帳消しにしてくれました。


雲取山から三条の湯へ

ご来光を眺めたあとは、三条の湯を目指して下山します。

雲取山から三条ダルミへ下り、水無尾根に入ります。

登りではなく下山ですが、細い道や桟道もあるため、足元を確認しながら慎重に進みます。

トラバース道が多いので滑落注意です
トラバース道が多いので滑落注意です

途中ではツツジが咲き、飛龍山の大きな山容も見えました。

水無尾根から見る飛龍山
水無尾根から見る飛龍山

尾根から谷へ下るにつれて、周囲の景色も少しずつ変わっていきます。

午前7時20分、三条の湯に到着しました。

深い森の中に突然現れる小屋は、まさに「山奥の宿」という雰囲気です。

深い森の中に現れる三条の湯
深い森の中に現れる三条の湯
受付 売店には土産物がよりどりみどり。。
受付 売店には土産物がよりどりみどり。。

今回は下山後のバス時間があるため、温泉には入らず売店で小休憩。

テント場や小屋の周辺を見学し、次に泊まりに来るための下見もしておきました(笑)

渓流沿いにあるテント場は静かで、雰囲気も抜群。

渓流沿いのテント場。次はここに泊まりたい
渓流沿いのテント場。次はここに泊まりたい⛺️

次回はここを目的地にして、温泉にゆっくり入りたいと思います。

三条の湯の豆知識|山の中で楽しめる天然温泉

三条の湯のお風呂は、約10℃で湧き出す単純硫黄冷鉱泉を、薪と灯油で温めています。

排水が直接沢へ流れるため、石鹸やシャンプーは使用できません。

日帰り入浴は可能ですが、平日は午後からとなり、宿泊予約がない日はお風呂を沸かさない場合もあります。

通過時に入浴したい場合は、事前に小屋へ確認しておくと安心です。

三条の湯は、今回の山行のゴールではありません。

しかし次の山行で泊まりに来るための、新しい出発点になりました。


三条の湯からお祭バス停へ

三条の湯を出発すると、後山林道を歩いてお祭バス停を目指します。

ここからは約10kmの長い林道歩きです。

登山道のような急なアップダウンはありませんが、すでに2日間歩いてきた足には、舗装路や林道の硬さがじわじわと効いてきます。

単調になりやすい道ですが、隣を流れる後山川の清流と新緑が目を楽しませてくれました。

新緑の後山林道をひたすら歩く
新緑の後山林道をひたすら歩く

5月上旬の渓谷は、芽吹いたばかりの緑が鮮やかです。

長い縦走を振り返りながら、静かな林道を歩いていきました。

国道近くの登山口に着きました
国道近くの登山口に着きました!

午前9時50分、お祭バス停に到着。9時58分発のバスに間に合いました!

9時50分、お祭バス停にゴール。おつかれ山!
9時50分、お祭バス停にゴール。おつかれ山!

その後、バスで奥多摩駅へ戻り、奥多摩ビジターセンターに立ち寄って今回の山行は終了です。

奥多摩駅 1日かけて戻ってきました!
奥多摩駅 1日かけて戻ってきました!
奥多摩ビジターセンター 自然・文化・登山道などの案内施設
奥多摩ビジターセンター 自然・文化・登山道などの案内施設
石尾根の地形や生態がひと目でわかります
石尾根の地形や生態がひと目でわかります

歩いたのは総距離、35.7km。

長い石尾根を歩き通し、雲取山を越えて三条の湯まで下りてきました。

歩ききったあとの充実感は、簡単には言葉にできませんね。

今回のテント泊装備|ザック約11kg

テント泊縦走では、荷物の重さがそのまま足への負担になります。

今回は食料や水、ビールを含め、ザック込みで約11kgでした。

石尾根の長いアップダウンを歩きながら、何度も「もう少し軽くできたかも」と考えました。

初めての1泊2日テント泊で必要な装備をまとめて確認したい方は、テント泊登山の装備リスト|初めての1泊2日に必要な持ち物も参考にしてください。


主な装備

カテゴリー使用した装備
ザックグレゴリー
テントTHE NORTH FACE マウンテンショット1
寝袋ダウンシュラフ
マットNEMO ゾア(セルフインフレータブルマット)
バーナー・クッカーSOTO
食料アルファ米、カレーメシ、行動食
飲み物水、ビール
その他ヘッドランプ、防寒着、レインウェア

テント|マウンテンショット1

今回使用したのは、THE NORTH FACEのマウンテンショット1です。

居住性と軽さのバランスが良く、構造もシンプルなので設営に時間がかかりません。

五十人平は設営場所によって傾斜や地面の凹凸があるため、短時間で向きを調整しながら張れるのは助かりました。

五十人平野営場に設営したマウンテンショット1

寝袋とマット

5月上旬の雲取山周辺は、昼間が暖かくても夜間は冷え込みます。

今回はダウンシュラフと、NEMO(ニーモ)のセルフインフレータブルマット「ゾア」を使用しました。

薄いマットながら地面の冷気や凹凸をやわらげてくれるため、テント泊の快適性を大きく左右する装備です。


バーナーと食事

バーナーはSOTOを使用しました。

夕食は、お湯を注ぐだけで食べられるカレーメシです。

担いできたビール 夕食はアルファ米のパッケージに入れたカレーメシやパン、ソーセージ
担いできたビール🍺 夕食はアルファ米のパッケージに入れたカレーメシやパン、ソーセージ

長時間歩いたあとは、複雑な調理をする気力が残っていないこともあります。

短時間で作れて、片付けも簡単な食事はロングルートと相性が良いと感じました。

そして、重いと分かっていても持ってきたビール。

軽量化には完全に逆行していますが、テントを張ったあとの一杯には、担いできただけの価値があります。


次回に向けた軽量化

今回、特に重さを感じたのがザック本体です。

グレゴリーのザックは背負い心地が良く、荷重が安定する一方、フレームやパッドの分だけ本体重量があります。

長時間歩くルートでは、ザック本体を軽くするだけでも負担を減らせそうです。

次回は装備を見直し、できれば水や食料を含めて10kg以下を目指したいところ。

ただし、軽さだけを優先して防寒着や雨具、救急用品を削ってしまっては意味がありません。

必要な安全装備を残しながら、不要なものを少しずつ減らしていくことが大切です。

軽量化の沼は深いですが、それもテント泊登山の楽しみのひとつです。

実際に歩いて感じた4つの注意点

1.距離だけでなく登り返しがきつい|巻き道の判断も必要

図解:石尾根は登り返しがきつい。高丸山周辺は巻き道の活用も検討

石尾根は一本の長い尾根ですが、平坦な稜線がずっと続くわけではありません。

六ツ石山、鷹ノ巣山、日陰名栗山、高丸山、七ツ石山と、ピークを越えるたびに下りと登り返しがあります。

累積標高差が大きいため、距離以上に体力を消耗します。

体力や天候、テント場への到着予定時刻によっては、巻き道を利用する判断も必要です。


2.五十人平の予約と水場を確認する

図解:五十人平野営場の注意点。完全事前予約制・売店なし・水場は徒歩約5分

五十人平野営場は完全事前予約制です。

売店はなく、管理人も常駐ではありません。

水場も野営場が管理している設備ではないため、渇水や凍結の可能性を考えておく必要があります。水が取れない場合に備え、必要量を事前に計算しておきましょう。


3.バスに間に合う行動計画を立てる

図解:三条の湯からお祭バス停まで林道約10km。バスの時間から逆算して計画

三条の湯からお祭バス停までは、長い林道歩きが残っています。

登山道を抜けたからといって、すぐにゴールではありません。

バスの本数も限られるため、三条の湯での休憩時間や林道歩きのペースまで含めて計画しておく必要があります。


4.クマ対策を徹底する

図解:クマ対策。音を出して歩く・食料やごみを放置しない・遭遇時は背を向けて走らない

石尾根や五十人平周辺では、ツキノワグマの目撃や痕跡情報が報告されています。

熊鈴やラジオなど音の出るものを携行し、食料やごみをテントの外に放置しないことが大切です。

単独行の場合は特に周囲の気配に注意し、早朝や夕方、見通しの悪い場所では存在を知らせながら歩きましょう。

万が一クマに遭遇した場合は、背を向けて走らず、クマの様子を確認しながら静かに距離を取るよう、奥多摩町が注意を呼びかけています。

まとめ|きついけれど、歩いてよかった石尾根縦走

奥多摩駅から石尾根を縦走し、五十人平でテント泊。

翌朝は雲取山でご来光を眺め、三条の湯を経由してお祭バス停へ下山しました。

距離35.7km、累積標高差は上り約3,060m。

テント泊装備を背負って歩くには、かなり体力を必要とするルートです。

七ツ石山を超えると石尾根のクライマックス 正直一番キツかった所です
七ツ石山を超えると石尾根のクライマックス 正直一番キツかった所です

それでも、歩き終えたあとに残ったのは、つらかった記憶よりも、石尾根を歩ききった達成感です。

標高340mの駅前から、2,017mの東京最高峰まで。

すべて自分の足でつなぐのが、石尾根縦走の一番の面白さだと感じました。

ご褒美のご来光(雲取山山頂で撮影 左は雲取山避難小屋)
ご褒美のご来光😭(雲取山山頂で撮影 左は雲取山避難小屋)

今回の山行をまとめると、次のようになります。

  • 石尾根は開放感と展望を楽しめるロングトレイル
  • 尾根上のピークを踏むルートはアップダウンが多い
  • 五十人平野営場は設備が新しく、完全予約制
  • 雲取山で迎えるご来光は格別
  • 三条の湯は宿泊推奨
  • バス時刻とクマ情報の事前確認は必須

コース定数76という数字のとおり、決して簡単な縦走ではありません。

日帰りのロングルートやテント泊登山を経験し、十分な体力をつけてから挑戦することをおすすめします。

登山道の通行状況、クマの出没情報、五十人平の利用条件、バスの時刻も変わる可能性があります。

出発前には必ず公式サイトの最新情報を確認してください。

安全に歩き、しっかり準備したうえで楽しむ。

それができれば、石尾根から雲取山へ続く2日間は、きっと忘れられない山旅になるはずです。

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