長衛小屋テント場ガイド|混雑・張る場所・水場・トイレを実体験で解説【南アルプス・北沢峠】

山まとめ

南アルプス・北沢峠の長衛小屋テント場に泊まってきました。

私が行ったのは、2026年8月15日から16日の1泊2日。お盆の土日です。

8月16日。河原にテントが並びます
8月16日。河原にテントが並びます

先に結論からいうと、長衛小屋は南アルプス北部のベースキャンプとして、かなり使いやすいテント場でした。

特に大きかったのが、テントを帰るまで張ったままにできること。

荷物を置いて甲斐駒ヶ岳や栗沢山へ登り、撤収は下山してからでOK。

私が泊まったのはお盆の土曜日でしたが、始発のバスで6時半ごろに着いたときは、奥にまだ張る場所を選べる余裕がありました。

水場は無料で、トイレも売店もあって、料金は1泊1,000円(1人)

ただし、携帯電話は圏外です。

天気は入山前に調べておくと安心です。

良かったところ
  • 北沢峠から下って徒歩10分。バスを降りてすぐ
  • 撤収時間の指定なし。下山したあと撤収してバスに乗れる
  • 1泊1,000円(1人)で予約不要
  • 水場は無料。蛇口が5口ほどあり、利用した朝は待たずに給水できた
  • 地面は河原の砂利。ペグがよく刺さる
  • 売店が充実。もつ煮やおでんもある
注意したいところ
  • 携帯電話は全キャリア圏外。
  • 小屋の近くは早い時間に埋まる
  • 通り道の近くは、足音と話し声が聞こえる
  • 水場は「給水専用」。歯磨きも食器洗いもできない
  • トイレは2026年8月時点で改築中(仮設)
  • 8月でも朝晩は冷える(標高1,980m)

この記事では、実際の混雑状況、張る場所、水場・トイレ・売店を、写真と時刻で紹介します。

長衛小屋テント場|北沢峠で唯一の幕営地

長衛小屋テント場北沢峠から北沢沿いに下ったところにある、河原のテント場です。

北沢峠の周辺で、テントを張れるのはここだけ。

甲斐駒ヶ岳、仙丈ヶ岳、栗沢山、アサヨ峰。

どの山に登るにも、ここを拠点にできます。

予約は不要で、料金は1泊1,000円(1人)

水場は無料、トイレもあります。

着いたのは6時25分ごろ。この時点で20張ほど
着いたのは6時25分ごろ。この時点で20張ほど

ひとつだけ、補足です。

北沢峠には「北沢峠こもれび山荘」という山小屋もあります。

こちらは以前「長衛荘」という名前でした。

名前が似ていますが、長衛小屋とは別の施設です。

長衛小屋は北沢峠からさらに下った河原にあり、テント場があるのは長衛小屋です。

こもれび山荘は北沢峠のバス停のすぐそばで、テント場はありません。

検索していると混ざりやすいので、気をつけてください。

小屋の名前の由来、竹澤長衛のレリーフ
小屋の名前の由来、竹澤長衛のレリーフ

長衛小屋テント場の基本情報

項目内容
場所南アルプス・北沢峠(山梨県南アルプス市)
標高1,980m
テント料金大人1泊 1,000円
予約不要(設営前に小屋で受付)
幕営数200張
撤収時間指定なし(2026年8月利用時に受付で確認)
水場あり・無料(小屋の前)
トイレあり ※2026年8月時点は改築中で仮設トイレ
売店あり(受付と同じ場所・19時まで)
携帯電波全キャリア不通
Wi-FiKDDI山小屋Wi-Fi(掲示は2時間300円/24時間600円・事前申し込み不要)
テント営業期間(2026年)6月1日〜11月3日
北沢峠から所要時間徒歩約10分(下り)

料金・幕営数・営業期間・電波は長衛小屋の公式サイト、そのほかは2026年8月に私が現地で確認したものです。

料金や営業期間は変わります。最新の情報は公式サイトで確認してください。

南アルプス市長衛小屋(公式サイト)

北沢峠から長衛小屋へ|徒歩10分

バスを降りたのは、北沢峠

バスを降りると「北沢峠」看板があります
バスを降りると「北沢峠」看板があります

ここから長衛小屋までは、樹林の中の道を下っていきます。

北沢峠から長衛小屋への入口。矢印にしたがって下ります
北沢峠から長衛小屋への入口。矢印にしたがって下ります

途中に「←テント場入口」と書かれた標識があります。

赤ペンキの石とピンクテープもあるので、初めてでも迷うことはないと思います。

「北沢峠」「仙水峠」「テント場入口→」の標識
「北沢峠」「仙水峠」「テント場入口→」の標識

北沢峠の案内図には、「長衛小屋 徒歩約10分(下り)」と書かれています。

私も重いテント泊装備を背負って、ゆっくり歩いて9分でした。

だいたい10分を見ておけば大丈夫です。

距離にすると約620m、標高差63mの下りです。

逆に帰りは登りになります。

テントを撤収した重い荷物で登り返すので、下りよりは時間を見ておいたほうが安心です。

木造の大きな建物。右手が水場と休憩所の屋根
木造の大きな建物。右手が水場と休憩所の屋根

テント場の受付|1泊1,000円(1人)・帰るまで張っててOK

長衛小屋に着いたら、テントを張る前に受付をします。

長衛小屋の正面。「テント場受付」はここです
長衛小屋の正面。「テント場受付」はここです

入口の右手に机があって、そこでテント泊の宿帳を記入します。

入口右の机で、テント泊の宿帳を記入します
入口右の机で、テント泊の宿帳を記入します

書き終わったら小屋に入って、受付です。

始発のバスで着いた6時半には、受付できました。

料金は1人1泊1,000円

現金で払いました。

北アルプスのテント場と比べると、破格の安さです。

正直、ここでもう嬉しくなりました。

そして受付で言われた一言が、この山行で一番ありがたかったかもしれません。

帰るまでテント張ってて大丈夫ですよ。

撤収時間の指定がありません。

これ、バスで来るテント泊には本当に大きいです。

下山してからテントを撤収して、そのあとバスに乗ればいい。

バス時刻表、Wi-Fiの案内、受付・売店の時間がまとまっています
バス時刻表、Wi-Fiの案内、受付・売店の時間がまとまっています

テント場の様子|河原の砂礫地

受付を済ませて、河原のほうに降りるとテント場です。

色とりどりのテントが河原に並びます
色とりどりのテントが河原に並びます

区画分けはされていません。

自由に張るスタイルです。

沢に沿って細長く広がっていて、上流側(小屋近く)にも下流側(下って奥)にもスペースがあります。

森の中というより、開けた河原、という感じ。

頭の上が開けているので、朝は日が当たります。

翌日の朝はこの通り。20張以上がびっしり
翌日の朝はこの通り。20張以上がびっしり

テント場の地面

地面は河原の砂利です。

砂と小石が混じった、しっかり踏み固められた地面。

地面は河原の砂利。ところどころに大きな石が転がっています
地面は河原の砂利。ところどころに大きな石が転がっています

ペグは、よく刺さりました。

砂利なので、すっと入っていきます。

使ったのはアルミペグです。

ただし場所によっては、大きめの石に当たって刺さらないところもあります。

そういうときは、石を使って押さえました。

まわりに石がいくらでも転がっているので、困りません。

張り綱は石で固定しました
張り綱は石で固定しました

私は張り綱を石で補助しました。

この時間はまだ空いています。ただし石が多い
この時間はまだ空いています。ただし石が多い

空いている=いい場所、とは限りません。

テントを張る場所|小屋の近く・奥

私が張ったのは、小屋から少し奥に入って、下ったあたりです。

奥の下ったところに張りました。地面は文句なし
奥の下ったところに張りました。地面は文句なし

平らで、土がよく慣らされていたから、地面を見て迷わず決めました。

ペグはよく刺さるし、傾いてもいない。

ただ、通り道が近くて、夜は足音と話し声が入ってきました。

翌日は0時50分の出発。寝られる時間が短いぶん、そこは残念でした。

場所ごとの向き・不向き

場所いいところ気をつけるところ
上流側(小屋の近く)給水も夜中のトイレも近いいちばん早く埋まる。7時35分ごろにはほぼ埋まっていました
下流側(下って奥)人の行き来から離れられる石が多い。ただし土がよく慣らされた平らな場所もあります
通り道のそば遅い時間でも空いていることがある足音と話し声がよく聞こえる

どこに張っても、北沢と水場の音はジャバジャバ聞こえています。

静かなテント場ではありますが、無音ではありません。

テントが集まる一角と、石が多くて空いたままの手前。同じテント場でも場所でこれだけ違います
テントが集まる一角と、石が多くて空いたままの手前。同じテント場でも場所でこれだけ違います
16時ごろ。カラフルなテントがずらり
16時ごろ。カラフルなテントがずらり

▶関連記事:頂上山荘テント場ガイド|木曽駒ヶ岳で1泊!料金・水場・混雑・撤収時間

水場・トイレ・売店

水場|小屋の前・無料

水場は小屋の前、屋根のかかった炊事場です。

長いステンレスの流しに蛇口が5口ほど
長いステンレスの流しに蛇口が5口ほど

長いステンレスの流しに、蛇口が5口ほど並んでいます。

水は無料です。

蛇口をひねればそのまま出るので、給水はとても楽でした。

朝の混雑時でも、蛇口が並んでいるぶん待たされることはありませんでした。

私は浄水や煮沸をせず、そのまま利用しました。

ただし、掲示にはっきり書かれているルールがあります。

「給水専用」。歯磨きも食器洗いもNGです
「給水専用」。歯磨きも食器洗いもNGです

給水専用

歯磨き・靴洗い・食器洗い/米のとぎ汁・麺類等ゆで汁/生ごみ・洗剤・油 ✕

汚水を流さないでください。

ここは給水だけの場所です。

歯磨きも、食器洗いもできません。


トイレ|2026年8月は改築中

長衛小屋のトイレは、2026年8月時点で改築中でした。

長衛小屋の仮設トイレ(2026年8月撮影)
長衛小屋の仮設トイレ(2026年8月撮影)

いま使えるのは、仮設トイレです。

そして新しいトイレの建物は、もうほぼ完成していました。

新しいトイレ。まだコーンで仕切られていて使えませんでした
新しいトイレ。まだコーンで仕切られていて使えませんでした

木目調の外壁で、男女のマークも付いています。

ただ、工事用のコーンとバーで仕切られていて、まだ立入禁止。

小屋の右手に足場。トイレの改築工事中でした
小屋の右手に足場。トイレの改築工事中でした

完成間近に見えましたが、供用開始の時期は確認できませんでした。


売店|メニューは豊富

売店は、小屋の中。

荷物預かりや記念バッヂの案内も
荷物預かりや記念バッヂの案内も
飲料、お菓子、カップ麺、アルファ米が並びます
飲料、お菓子、カップ麺、アルファ米が並びます

メニューを載せておきます。

値段が全部書いてあります
値段が全部書いてあります
メニュー値段
もつ煮1,200円(夜7時まで)
おでん800円
アルファ米600円
カップヌードル500円
おつまみ各種300円
アルコール類400円〜
ココア・コーヒー100円〜
ホットドリンク(コーヒー・ミルクティー・ココア)各400円
登頂記念バッヂ各700円
荷物預かり1個300円

※2026年8月に現地の掲示を書き写したものです。値段や品ぞろえは変わります。

もつ煮もおでんも、コッヘル持参が条件でした。

黒板には「自身であたためてね!」と書いてあります。

ホットドリンクの提供は15時まででした。

登頂記念バッヂは、仙丈ヶ岳・甲斐駒ヶ岳・鳳凰三山・アサヨ峰・栗沢山の5種類。

アサヨ峰と栗沢山のバッヂも販売されていました。


▶関連記事:初めてのテント泊|テント場到着後の流れと過ごし方

お盆の土曜の混雑|時刻ごとの埋まり方

予約不要・200張」と聞くと安心しますが、知りたいのはいい場所を取れるかどうかですよね。

私が泊まったのは2026年8月15日(土)、お盆のど真ん中でした。

その日の埋まり方を、時刻とあわせて書いておきます。

時刻テント場の様子
06:25到着。ざっと20張ほど。前日から張っているテントも混じっている
06:35奥の下ったところに場所を決めてグラウンドシートを敷く
06:55設営完了
07:15上流側にはまだ空きスペースあり
07:35小屋の近く(上流側)はほぼ埋まる。下流側にはまだ余裕あり
11:20天気雨。この時間にもまだ設営・撤収している人がいた
16:05夕方。テントがずらりと並ぶ
翌11:40撤収前。小屋の近くはほぼいっぱい
雨が降り出しても、まだ設営している人がいました
雨が降り出しても、まだ設営している人がいました

私が乗ったのは5時30分発の始発バスです。

その時点では前日から張っているテントが並んでいましたが、奥にはまだ十分な空きがありました。

選ぼうと思えば選べる状態です。

一方で、11時を過ぎてもまだ設営している人がいました。

雨の中の設営は大変です。

早めに戻ってこられてよかった、とテントの中で思いました。

それともうひとつ、このテント場ならではの動きがあります。

前の晩から張っている人と、これから張る人が入り乱れるんです。

「帰るまで張っていていい」ですから。

だから「もういっぱいだな」と思っても、2日目の人が下山してきて、バスの時間に合わせて撤収していきます。

埋まったまま動かないのではなく、一日じゅう入れ替わっているテント場でした。

これは2026年のお盆の土曜日に泊まった1回の状況です。

連休や紅葉期など、日によって混雑の度合いは変わります。

▶関連記事:戸台パークから北沢峠へのアクセス完全ガイド|駐車場・南アルプス林道バス・お盆の混雑を実体験で解説

長衛小屋をベースに登った2日間

長衛小屋のいちばんの魅力は、ここだと思います。

テントを置いたまま、軽い荷物で山に登れる。

しかも撤収時間の指定がないので、下山してから撤収できます。

私が実際にやったのは、こういう使い方でした。

1日目

  • 06:55 設営完了
  • 07:50 栗沢山へ出発(アタックザックの軽装)
  • 10:10 テント場に戻る

2日目

  • 00:50 テント場発(ヘッドランプ)
  • 04:10 甲斐駒ヶ岳 山頂
  • 06:00〜06:55 摩利支天・六方石
  • 09:00 栗沢山
  • 09:40 アサヨ峰
  • 11:55 テント場に戻って撤収
  • 13:00 北沢峠発のバス乗車
甲斐駒ヶ岳の山頂。標高2,967m
甲斐駒ヶ岳の山頂。標高2,967m
甲斐駒ヶ岳の山頂から。雲海の向こうに富士山
甲斐駒ヶ岳の山頂から。雲海の向こうに富士山
アサヨ峰の山頂。甲斐駒から栗沢山を越えてきました
アサヨ峰の山頂。甲斐駒から栗沢山を越えてきました

2日目は、テント場を出てから戻るまで11時間ほど。

この行程が組めたのは、テントを置いていけたからです。

もし毎回テントを担いで移動していたら、この行程を組むのはかなり厳しかったと思います。

そして帰りは、山から戻ってきてから撤収してバスに乗れる。

11時55分にテント場に戻って、13時のバスに間に合いました。

ここに置いて、身軽に登りに行けます
ここに置いて、身軽に登りに行けます

▶関連記事:甲斐駒ヶ岳・アサヨ峰 テント泊登山記|北沢峠ベースで巡る山梨百名山98・99座目

長衛小屋テント場までのアクセス

北沢峠はマイカー規制がかかっているので、車で直接は入れません。

そして山梨県側の広河原から北沢峠へは、いま通り抜けができません。

2026年現在、北沢峠に入るには長野県の伊那市側、戸台パークから南アルプス林道バスに乗ります。

流れはこうです。

  1. 車で戸台パーク(伊那市長谷)へ
  2. 駐車場に停める
  3. 乗車券を買う
  4. 南アルプス林道バスに乗る(約50分)
  5. 北沢峠に到着
  6. 樹林の道を下って長衛小屋へ(徒歩約10分)

バスの時刻は年によって変わりますし、混雑時は定刻より早く出ることもあります。

最新の時刻表は、必ず伊那市の公式サイトで確認してください。

南アルプス林道バス(伊那市公式ホームページ)

バスの乗り方、駐車場、きっぷの買い方、お盆の並び方は、こちらの記事に全部書きました。

▶関連記事:戸台パークから北沢峠へのアクセス完全ガイド|駐車場・南アルプス林道バス・お盆の混雑を実体験で解説

8月でも朝晩は冷える|泊まって分かった補足

最後に、泊まってみて体感したことを2つだけ。

まず、電波は本当に入りませんでした。

現地で天気を調べ直すことはできないので、私は入山前日の昼と夕方に、てんくらとウェザーニュースで予報を確認して入りました。

そして、8月でも朝晩は冷えます。

北沢峠でバスを降りた瞬間、肌寒いと感じました。

そのとき私は長袖シャツ1枚。

正直、何か羽織るものが欲しい状態でした。

8月の北沢峠で使ったのはComfort 5℃のシュラフ
8月の北沢峠で使ったのはComfort 5℃のシュラフ

夜に使ったシュラフは、モンベルのアルパインダウンハガー800 #3(Comfort 5℃/Limit 0℃)です。

このシュラフで、ちょうどよく感じました。

▶関連記事:テント泊登山の装備リスト|初めての1泊2日に必要な持ち物

まとめ|張ったままでOKのテント場

長衛小屋のテント場は、南アルプス北部の山をテント泊で回りたい人には、かなり使いやすい場所でした。

北沢峠から徒歩10分。水場は無料。1人1泊1,000円で予約もいりません。

そして撤収時間の指定がないので、下山してから撤収してバスに乗れます。

一方、携帯電話は全キャリア圏外です。

小屋には有料Wi-Fiの案内がありますが、天気予報など必要な情報は入山前にも確認しておくと安心です。

荷物を置いて山へ行き、下山してから撤収できる。

この使い方ができることこそ、長衛小屋テント場のいちばんの魅力でした。

甲斐駒ヶ岳や仙丈ヶ岳を、テント泊で登ってみたい。

そう考えている方の参考になればうれしいです。

撤収の朝。ここに1晩置いて、身軽に登ってきました
撤収の朝。ここに1晩置いて、身軽に登ってきました

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