9月登山の服装は何を着る?|3枚重ねても寒かった私が足す「1枚」

登山初心者

※この記事にはアフィリエイト広告が含まれています。実際に使用している装備を中心に紹介しています。

8月の甲斐駒ヶ岳の山頂で、3枚重ねていました。

それでも寒かったです。

標高2,967m、夜明け前の午前4時10分。

日の出まで52分、山頂で待っていました。

甲斐駒ヶ岳の山頂から見た夜明け前の空。雲海の向こうに富士山と鳳凰三山のシルエット
この空を待っていた52分が、いちばん寒い時間でした

お盆の時期。下界では日中35℃を超えていました。

そのとき私が着ていたのは、長袖シャツとウインドシェルとレインウェアの3枚

枚数だけ見れば、けっこう着ています。

でも、寒かった理由は枚数ではありませんでした。

先に結論を書きます。

9月に足すのは「4枚目」ではありません。夏の装備に抜けている「保温する層」です。

ここでいう「足す」は、行動中ずっと着るという意味ではありません。

夏の装備に保温着を1枚加えて、必要なときに着られるよう持っていく、という意味です。

この記事は、9月に標高2,000mを超える山へ行くときの服装の話です。

レイヤリングの基礎そのものは、別の記事にまとめてあります。
わからないという方はこの機会にぜひチェックして下さい。

▶関連記事:【2026年版】夏山の服装ガイド|初心者向けレイヤリングの基本

9月前半の実感|大菩薩と笊ヶ岳

まず、9月を寒い月だと思い込まないほうがいいです。

2024年9月14日、大菩薩嶺を歩きました。

丸川峠分岐の駐車場から丸川峠へ登り、大菩薩嶺、雷岩、大菩薩峠、石丸峠、上日川峠とまわって戻るラウンドルートです。

7時間07分、距離13.6km、のぼり1,311m。

大菩薩嶺は標高2,057m、大菩薩峠は1,897m。稜線はずっと2,000m近くを歩きます。

それでも、まだまだ残暑で暑かったです。

このとき持っていったのは、ウインドシェルでした。防寒着ではありません。

大菩薩の稜線から見た富士山と大菩薩湖
2024年9月14日の大菩薩。標高2,000m近い稜線でも、まだ残暑でした

▶関連記事:残暑でも涼しい!山梨・長野のハイキング6選|8月・9月に歩きたい避暑コース


もうひとつ、9月の記録があります。

2025年9月15日、笊ヶ岳の山頂に立ったのは朝6時すぎでした。

標高2,629mで山梨百名山・四天王のひとつ。

そのときの写真を見返すと、私は長袖シャツ1枚で立っていました。

笊ヶ岳の山頂標柱の前に立つ登山者。9月中旬の朝、長袖シャツ1枚
9月中旬の朝6時、笊ヶ岳の山頂。着いたばかりで暑く、長袖シャツ1枚でした

着いたばかりで、暑かったからです。

ただ、しばらくして落ち着いたら、ウインドシェルを着ました。

▶関連記事:【山梨百名山】笊ヶ岳・1泊2日テント泊|老平から挑んだ体力限界の登山記録


私が歩いたこの2回では、標高2,000〜2,600mでも夏の装備をベースに歩けていました。

止まったときに着たのも、ウインドシェルまででした。

これが私の実感です。

では、9月はずっと夏の装備でいいのでしょうか。

ここで、8月の話に戻ります。

8月でも寒かった山頂|北沢峠と甲斐駒ヶ岳

北沢峠|長袖1枚では肌寒い朝

2026年8月16日、朝6時15分ごろ。

南アルプス林道バスを降りて、北沢峠に立ちました。標高2,032mです。

北沢峠のバス降車場と南アルプス林道バス。降車直後に支度をする登山者
北沢峠のバス降車場。ここで標高2,032mです

バスを降りた瞬間、肌寒いと感じました。

そのとき着ていたのは、長袖シャツ1枚です。

お盆の8月です。

▶関連記事:長衛小屋テント場ガイド|混雑・張る場所・水場・トイレを実体験で解説【南アルプス・北沢峠】


甲斐駒ヶ岳の山頂|日の出まで52分

翌朝、午前4時10分に甲斐駒ヶ岳の山頂に着きました。

日の出は5時00分。52分あります。

山頂は、ほぼ貸切でした。

夜明け前は、気温が下がりやすい時間帯です。

待っているあいだ、ぐっと冷え込んでくるのを感じました。

このとき、私は3枚重ねていました。

それでも、まだ寒かったです。

手袋もしていました。

甲斐駒ヶ岳の山頂標識の前に立つ登山者。レインウェアと手袋を着けている
8月の山頂で、レインウェアと手袋。これでも寒かったです

正直に書くと、このとき「寒がりな人なら、ダウンかフリースが要るな」と思っていました。

▶関連記事:甲斐駒ヶ岳・アサヨ峰 テント泊登山記|北沢峠ベースで巡る山梨百名山98・99座目

3枚重ねても寒かった理由

山を下りてから、あのとき何を着ていたのかを並べてみました。

そこで気づいたことが、この記事を書いている理由です。

甲斐駒ヶ岳の山頂で着ていた4枚のウェアと、それぞれの役割。保温は0枚
着ていた4枚と、その役割。保温だけが0枚でした

先に、正確なことを書いておきます。

私は季節を問わず、ドライレイヤーを肌に直接着ています。

オンヨネのブレステックPP、ノースリーブのタイプです。

なので山頂で「3枚重ねている」と言っていましたが、数え直すと4枚でした。

その4枚が、これです。

着ていたもの役割
1枚目(肌側)オンヨネ ブレステックPP(ノースリーブ)汗を肌から離す
2枚目パタゴニアの長袖シャツ汗を逃がす
3枚目マウンテンハードウェア コアエアシェルフーディ防風
4枚目ホグロフスのレインウェア防水・防風
該当なし保温

汗の処理は、2枚がかりでやっています。

風を防ぐものも、2枚あります。

雨に備えるものもあります。

そして、保温を担当する層が1枚もありません。

コアエアシェルフーディは、Mサイズで130gしかない薄いウインドシェルです。風を抑えてくれますが、中わたは入っていません。

レインウェアも、保温を主目的にしたウェアではありません。

4枚着ていたのに寒かったのは、当たり前でした。

重ね着の枚数は、寒さの答えになりません。効くのは、その1枚が何の仕事をしているかです。

山頂で寒かったとき、私は「もう1枚あれば」と考えていました。

でも本当に足りなかったのは、枚数ではなく役割のほうです。

ベースレイヤー、ミドルレイヤー、アウターの役割そのものを知りたい方は、こちらが詳しいです。

▶関連記事:登山初心者の服装ガイド|日帰り登山の基本レイヤリングとウェア選び

9月に足す「保温する1枚」

足すのは、空いている枠に入るものです。

つまり、体の熱を逃がしにくくする「保温する層」です。

フリースやダウン、化繊の中わたなどがあります。

9月に保温着を1枚足した5枚の構成。ウインドシェルとレインウェアのあいだに保温が入る
夏装備に「保温」を担当する1枚を追加。着る順番はウェアや状況によって変わります

私が9月に使うのは、次の2着です。

動きながら着るなら|アクティブインサレーション

私が使っているのは、ノースフェイスのベントリックスフーディです。

ただ、このモデルはもう販売が終わっています。現在のメンズは、フードのないベントリックスジャケットが販売されています。

アクティブインサレーションは、着たまま歩ける保温着です。

中わたがしっかり入った保温着だと、少し登っただけで暑くなって脱ぐことになります。

脱いだり着たりを繰り返すのが面倒で、結局着ないまま寒い思いをする。よくあるパターンです。

その点、アクティブインサレーションは着たまま行動できます。


止まっている時間が長いなら|化繊の保温着

もうひとつが、パタゴニアのナノ・パフ・ジャケットです。

名前に「パフ」と付きますが、ダウンではありません。プリマロフトという化繊の中わたが入っています。

こちらは、止まっているときに効きます。

甲斐駒の山頂で、私は52分間ほとんど動かずに日の出を待っていました。

あの52分に必要だったのは、まさにこれです。

軽くて、たたむと小さくなるので、ザックの中でも邪魔になりません。

どちらを選ぶかの分かれ目

迷ったら、その日の過ごし方で決めます。

ずっと歩き続ける日帰りアクティブインサレーション
山頂で日の出を待つ/写真を撮る化繊の保温着
テント泊で停滞時間が長い化繊の保温着
行動も停滞も両方ある両方。ただし薄手を選ぶ

私なら、9月の日帰りならアクティブインサレーションを1枚だけ持ちます。

テント泊や、山頂で日の出を待つ予定があるなら、そこにナノ・パフを足します。

甲斐駒のときは、まさにその「足す」を忘れていました。

手袋も、夏のままでした

トレッキンググローブは、いつもつけています。

甲斐駒の山頂の写真にも、しっかり写っていました。

甲斐駒ヶ岳の山頂で着けていた夏用のメッシュグローブ。甲の部分が網目になっている
甲の部分が網目になっています。夏用のメッシュグローブです

あのとき持っていったのは、夏用のメッシュグローブでした。

通気がいいということは、風が通るということでもあります。

春秋用のグローブ(ノースフェイス製)もありますが持っていきませんでした。

9月の高山へ行くときは、私は春秋用のグローブに替えます。

9月前半と後半の違い

ここまでの実体験を、時系列で並べておきます。

いつ標高実際にどうだったか
2024年9月14日/11時ごろ大菩薩の稜線 約2,000mまだまだ残暑で暑かった。持参したのはウインドシェル
2025年9月15日 6時ごろ笊ヶ岳の山頂 2,629m着いた直後は暑くて長袖シャツ1枚。落ち着いてウインドシェル
2025年9月27日 13時ごろ金峰山の山頂 2,599m行動中は長袖シャツ1枚。山頂でウインドシェル
2026年8月16日 6時15分北沢峠 2,032m長袖1枚では肌寒かった
2026年8月16日 4時10分〜5時00分甲斐駒ヶ岳 山頂 2,967m3枚重ねても寒かった

並べてみて分かるのは、9月をひとまとめに考えないほうがいい、ということです。

9月の前半は、まだ残暑の中を歩いていました。

9月の後半も、日中に歩いているあいだは長袖シャツ1枚でした。

2025年9月27日の金峰山(2,599m)がそれです。山頂で羽織ったのも、ウインドシェルまででした。

一方で、8月でも夜明け前の3,000m近い山頂は寒かった。

9月の後半に高い山へ行くなら、朝晩はこの延長線上にあると思っておくのが安全です。

9月後半にどの山へ行くかを決めるときは、紅葉の見頃から逆算するのも手です。

▶関連記事:【2026年版】日本アルプスの紅葉はいつ?🍁 見頃早わかりカレンダー&秋登山の注意点

ひとつ、言い方を直しておきたいことがあります。

以前の記事で私は「9月の後半に高い山へ行くなら、アウターが必要になる時期です」と書きました。

いま振り返ると、この書き方は少し雑でした。

必要なのは、単に外側に着るものではないからです。

実際、甲斐駒の山頂で私は外側に2枚着ていました。それでも寒かったわけです。

足すべきなのは「アウター」ではなく、「保温する役割を持った1枚」。

この違いに気づけたのが、8月の甲斐駒でした。

  • アウター=外側に着るもの。レインウェアもウインドシェルも、ここに入ります
  • 保温着=体の熱を逃がしにくくするもの。フリース、ダウン、化繊の中わたなど
  • 9月に足すのは、アウターではなく保温着です

まとめ|足すのは枚数ではなく、抜けている役割

9月に足すのは、4枚目ではありません。

夏の装備に抜けている「保温する層」です。

自分の夏の装備を、いちど役割で並べてみてください。

役割持っているもの
汗を肌から離す
汗を逃がす
風を止める
雨を防ぐ
保温する← ここが空欄なら、それが足す1枚

その中に、保温するものが入っているかどうか。

入っていなければ、それが9月に足す1枚です。

なお、テント泊をするなら、服装だけでなく就寝時の防寒も確認しておきたいところです。

8月の北沢峠では、Comfort 5℃のシュラフでちょうどよく眠れました。

9月のテント泊では、私はこれをひとつの目安にしつつ、行き先や予報に合わせて調整します。

モンベル アルパインダウンハガー800 #3の収納袋。Comfort 5℃の表示
8月の北沢峠で使ったシュラフ。Comfort 5℃です

▶関連記事:テント泊登山の装備リスト|初めての1泊2日に必要な持ち物

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