鹿島槍ヶ岳テント泊|台風一過、雲海の上を歩いた柏原新道〜冷池山荘の1泊2日

鹿島槍ヶ岳テント泊のアイキャッチ。紅葉の向こうの鹿島槍ヶ岳、テントの入口から見た雲海、山頂標柱、冷池のテント場の写真 登山日記

連休の山の予定が、台風でひっくり返る。

2026年のシルバーウィーク、私は行き先を2回変えました(笑)

最初は南アルプスの光岳・聖岳。3泊4日。

次に、上高地から槍ヶ岳。2泊3日。

どちらも台風25号の予報を見て取りやめて、最後に残ったのが北アルプスの鹿島槍ヶ岳、1泊2日でした。

9月21日の夜に扇沢へ入って車中泊。

翌朝、柏原新道を登って稜線に出ると、足元は一面の雲海でした。

この記事は、冷池山荘のテント場に泊まって、鹿島槍ヶ岳の南峰と北峰を往復した1泊2日の記録です。

コース概要

扇沢から柏原新道を登って種池山荘へ。

爺ヶ岳を越えて冷池山荘のテント場に泊まり、1日目のうちに鹿島槍ヶ岳の南峰・北峰を往復しました。

2日目は、同じ道を扇沢へ下りています。

今回のルート

DAY1:扇沢 → 柏原新道 → 種池山荘 → 爺ヶ岳 → 冷池山荘 → 冷池山荘テント場(設営)→ 鹿島槍ヶ岳 南峰・北峰(往復)→ 冷池山荘テント場(テント泊)

DAY2:冷池山荘 → 爺ヶ岳 → 種池山荘 → 柏原新道 → 扇沢

  • 総距離:23.9km
  • 行動時間:16時間20分
  • 累積標高差:のぼり2,628m/くだり2,621m
  • コース定数:60

1日目|柏原新道から冷池山荘、鹿島槍ヶ岳へ

1日目は、前の晩の扇沢から。

5時に歩き始めて、鹿島槍ヶ岳を往復してテント場に戻ったのは16時すぎでした。


扇沢の前夜|連休の市営第一駐車場で車中泊

9月21日(月・敬老の日)の18時40分、扇沢に到着。

無料の市営第一駐車場は、6割ほど埋まっていました。

台風25号が関東に近づいていた夜ですが、扇沢では風が少しあったくらいで、雨はほとんど降っていません。

夕食は車の中で。

大町のAコープで買ったものをつまみながら、音楽を聴いてまったり過ごしました。

明日は4時前に起きて、朝食を摂り、準備をして5時に出発です。

夕暮れの扇沢市営第一駐車場。手前の列にはまだ空きがある
着いた直後の市営第一駐車場(9月21日18時50分ごろ)

駐車場の台数や、翌朝の空車状況などは、こちらにまとめています。

▶関連記事:扇沢・柏原新道登山口の駐車場ガイド|無料駐車場の混雑と2026年の工事を実体験で解説


柏原新道|夜明け前の出発

5時に駐車場を出て、5時5分に柏原新道登山口。

まだ真っ暗です。

5時すぎの柏原新道登山口

▶関連記事:秋の日帰り登山にヘッドランプは必要?

5時半を過ぎると、空が明るくなってきました。

雲ひとつない快晴です。

6時すぎ、木のあいだから谷を見下ろすと、雲がびっしり詰まっていました。

柏原新道の途中から見下ろした、雲で埋まった谷
6時すぎ、柏原新道から。谷が雲で埋まっていました

富士見坂|雲海の向こうの富士山

7時半ごろ、「富士見坂」の標識のあたりで東側がひらけます。

雲海の向こうに、富士山がちょこんと見えました。

南アルプスや八ヶ岳も、雲の上に並んでいます。

柏原新道の富士見坂から見た雲海と、遠くの富士山
富士見坂から。雲海の向こうに富士山(左)

種池山荘|紅葉のはじまり

7時57分、種池山荘に着きました。

種池山荘の建物
種池山荘

山荘のまわりは、黄色やオレンジに色づき始めていました。

種池山荘の手前からずっと、剱岳・立山、針ノ木岳・スバリ岳が見えています。

針ノ木岳・スバリ岳(中央)
種池山荘のそばで黄色く色づいた木と青空
種池山荘のそば。黄色く色づき始めていました

種池から爺ヶ岳へ向かう道では、紅葉ごしの爺ヶ岳が楽しめました。

オレンジ色の紅葉ごしに見る爺ヶ岳
紅葉ごしの爺ヶ岳

爺ヶ岳|地味に長いアップダウン

種池山荘から冷池山荘までは、爺ヶ岳の南峰・中峰・北峰を越えていきます。

このアップダウンが、地味に長い。

正直、ちょっと舐めてました(笑)

8時56分、爺ヶ岳南峰。

爺ヶ岳南峰の標柱「爺ヶ岳南峰頂」と、背景の剱・立山方面の山並み
爺ヶ岳南峰。うしろは剱・立山方面

9時20分、爺ヶ岳の最高点・中峰(2,669m)。

標柱の向こうは、いちめんの雲海でした。

爺ヶ岳中峰。標柱の向こうは雲海

槍ヶ岳や穂高岳も、よく見えました。

槍ヶ岳(左)、右に穂高連峰

ライチョウ|人生でいちばん近い距離

爺ヶ岳北峰のピークは立ち入り禁止になっていて(2026年9月時点)、今回はそのまま冷池山荘へ向かいました。

その下りの途中、登山道のすぐ脇にライチョウがいました。

これまで見た中で、いちばん近い距離!

登山道のすぐ脇にいたライチョウ

目の上の赤い肉冠まで、はっきり見えました。

足元は白くなりかけており、冬羽に変わり始めているようです。

足元の羽が、白くなりかけていました

冷池山荘テント場|正面に剱・立山

10時22分、冷池山荘に到着。

冷池山荘に着いた10時半ごろで、気温は19℃でした。

青空の下の冷池山荘
冷池山荘

受付をして、テント場まではさらに登りで15分ほどです。

テント場は石がゴロゴロしていて、少し傾斜もあります。

冷池山荘のテント場。まだ数張しか張っていませんでした。

場所選びに悩みましたが、最後は展望を優先しました。

テントの中に座ったまま入口を開けると、剱岳と立山が目の前です。

風はやや強めでした。

冷池山荘テント場に張ったオレンジ色のテントと、正面に並ぶ剱岳・立山
テントの正面に剱岳・立山

テント場の看板|張ったままの往復は控える

設営してから、空身で鹿島槍ヶ岳へ往復しました。

ところが、あとでテント場の看板をよく読んだら、こう書いてありました。

冷池山荘テント場の看板「熊出没!注意!! テント場御利用時のお願い」
テント場の入口にある、冷池山荘の看板

「熊出没!注意!! テント場御利用時のお願い!」

  • テントの外にゴミや食料、ザック等を置きっぱなしにしない。
  • テントを張ったままの鹿島槍への往復は控える。(小屋の自炊室を荷物置場として利用して下さい。)
  • 早朝や夜間の行動(トイレ利用等)は、必ず複数で行う。

2つ目の、テントを張ったままの往復。

私は、これを見落としていました。

次に冷池から鹿島槍ヶ岳へ往復するときは、テントを張ったままにせず、看板の案内どおり小屋の自炊室を荷物置場として利用します。

これから冷池にテントを張る方も、着いたらまず看板を確認してください。


鹿島槍ヶ岳|軽い荷物で南峰へ

テントを張り昼食を食べてから、アタックザックで鹿島槍ヶ岳へ。

布引山を越えて、南峰へ向かいます。

稜線の草は、もう秋の色でした。

鹿島槍ヶ岳へ続く稜線の登山道と、色づいた草
鹿島槍ヶ岳へ続く稜線

13時16分、鹿島槍ヶ岳の南峰(2,889m)に着きました。

鹿島槍ヶ岳南峰。標柱には「鹿島槍ヶ岳頂上 二八八九米」

吊尾根|北峰と八峰キレットの入口

南峰まで来たら、北峰まで行きたいと思っていました。

ただ、北峰へ向かう人は思ったより少なめ。

そのまま北峰へ向かいます。

南峰と北峰をつないでいるのが吊尾根です。

八峰キレットの入口だけあって、北峰までもかなりの岩場。

南峰からの下りは、目印が少なかった印象です。

吊尾根の途中の、切り立った岩の稜線
吊尾根の岩場

13時52分、鹿島槍ヶ岳・北峰(2,842m)。

鹿島槍ヶ岳北峰の標柱「Mt.Kashima-Yarigatake Northern Peak 2,842m」と、うしろのとがった南峰
鹿島槍ヶ岳北峰。うしろのとがった山が南峰

北峰の手前には、八峰キレットへの分岐があります。

八峰キレットは、毎年「行きたい山」の候補に挙げては、毎年あきらめている場所です(笑)

来年こそは行きたい。

吊尾根くらいで音をあげていたら、八峰キレットには行けませんね。

鹿島槍ヶ岳北峰から見下ろした八峰キレット方面の岩稜と、赤い屋根の小屋
北峰から見下ろした八峰キレット方面。赤い屋根はキレット小屋。すごい場所に建っています

帰りの下りで、膝が痛くなってきました。

荷物が重かったからなのか(ザックは約13kg)、約1ヶ月ぶりのテント泊が堪えたのか。

16時4分、なんとかテント場に戻りました。

冷池山荘テント場に並ぶテントと、谷から上がってくる雲
16時すぎ、テント場に戻ったころ。谷から雲が上がってきていました

テント場の夕方|雲海に沈む夕日と剱岳

夕ごはんは、尾西の白飯に無印良品のコムタンをかけて。

レトルトと缶ビール・酎ハイが重くて、ここまで持ってくるのに苦労しました(笑)

尾西の白飯、無印良品のコムタン、プリッツ、ソーセージ
夕ごはん。白飯にコムタンをかけて食べました

そして、ビールをプシュ!

17時20分ごろ、夕日が剱岳・立山のほうへ沈んでいきます。

足元の雲海が、金色に染まりました。

剱岳・立山の稜線に沈む夕日と、金色に染まる雲海
17時20分ごろ。雲海が金色に

日が沈んだあとは、剱岳が黒いシルエットに。

日没後の茜色の空と剱岳のシルエット、手前に広がる雲海
冷池のテント場から。日が沈んだあとの剱岳

17時43分で、気温は12.8℃でした。

雲海に出会うためのコツは、こちらにまとめています。

▶関連記事:雲海が見られる山|実際に出会ってわかった3つの方法

夜中は、風が結構強く吹いていました。

それでも、そこまで寒くはありませんでした。

星空の下、明かりのついたテントが並ぶ夜明け前の冷池テント場
夜明け前、4時半のテント場

2日目|冷池のご来光と、長い下り

2日目は、冷池のテント場でご来光を見てから、来た道を扇沢へ下ります。


冷池テント場|ご来光とモルゲンロート

9月23日、5時36分。

東の雲海から、日が昇りました。

5時36分のご来光

振り返ると、剱岳・立山が赤く染まっていました。

モルゲンロートの剱岳・立山

テントは結露していて、撤収のときはちょっと嫌な感じでした😅

朝の冷池山荘テント場。緑やオレンジのテントと、遠くの山並み
出発前の冷池テント場(5時45分)

5時49分、テント場を出発です。


爺ヶ岳|朝の稜線と紅葉

爺ヶ岳へ登り返す途中で振り返ると、鹿島槍ヶ岳が朝日を浴びていました。

6時49分で、気温は9.9℃。

朝日を浴びる鹿島槍ヶ岳と、手前のハイマツ
振り返った鹿島槍ヶ岳

爺ヶ岳から種池山荘へ下る斜面は、黄色やオレンジの紅葉でした。

黄色やオレンジに色づいた斜面の向こうの鹿島槍ヶ岳
紅葉の向こうに鹿島槍ヶ岳

種池山荘|爺ヶ岳を越えてコーヒー

8時、種池山荘。

爺ヶ岳を越えて、ほっとひと息です。

種池山荘で水を買って、インスタントコーヒーを淹れました。

種池山荘の前で手に持ったチタンマグ
爺ヶ岳を越えて、ひと息のコーヒー

柏原新道|長い長い下りと膝の痛み

種池山荘から柏原新道登山口までは、2時間47分。

この下りが、長い長い。

柏原新道の下りから見た、雲がかかる谷と山並み
柏原新道の下り。9時ごろには雲が上がってきました

膝は前の日の鹿島槍ヶ岳の下りからずっと痛かったので、なおさらです。

次は、膝のサポーターがあったほうがいいかもしれません。

10時47分、柏原新道登山口に下りてきました。

柏原新道登山口の看板「北アルプス爺ヶ岳 柏原新道登山口」
柏原新道登山口に下山

11時3分、駐車場に到着です。

鹿島槍ヶ岳テント泊|今回わかったこと

これから柏原新道から鹿島槍ヶ岳へ行く方に向けて、今回の山行でわかったことをまとめます。

爺ヶ岳の稜線と、その向こうに並ぶ剱岳・立山
爺ヶ岳の稜線。南峰・中峰・北峰のアップダウンが続きます
  • 今回の連休は、扇沢の駐車場が混んでいた。前夜18時40分で市営第一が6割、翌朝5時前にはほぼ埋まっていた
  • 種池山荘から先の爺ヶ岳が、地味に長い。南峰・中峰・北峰のアップダウンを越えて冷池へ
  • 冷池のテント場に着いたら、まず看板を確認する。テントを張ったままの鹿島槍への往復は控えて、荷物は小屋の自炊室へ
  • 南峰から北峰への吊尾根は岩場。今回は、南峰からの下りは目印が少ない印象だった
  • 下りが長い。種池山荘から登山口まで2時間47分。私は次回、膝のサポーターを持っていこうと思います

まとめ|台風一過、雲海の上の鹿島槍ヶ岳

台風で行き先を2回変えて、最後にたどり着いた鹿島槍ヶ岳。

帰り道で振り返った鹿島槍ヶ岳の南峰と北峰
帰り道で振り返った鹿島槍ヶ岳。南峰と北峰、2つのピーク

台風が過ぎた朝、稜線は雲海の上でした。

YAMAPの日記には「雲ひとつない青空とはこのことか?」と書きました。

これまででいちばん近い距離でライチョウに会えて、夕方は雲海に沈む夕日と剱岳、翌朝はご来光とモルゲンロート。

北峰から見た八峰キレットは、来年の宿題です(笑)

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