高山植物のピークは過ぎて、紅葉にはまだ早い。
そう思って、9月の登山予定を後回しにしていませんか。
私もそうでした。
でも、2021年の9月は違いました。
9月4日に広島の武田山を歩いて、その10日後には北海道・大雪山の黒岳にいました。
北海道では、早くも紅葉が始まっていました。
たった10日の違いでこれほど違うのか、と驚きました。

9月は、夏と秋のあいだの中途半端な月ではありません。
行き先しだいで、夏にも秋にもなる月です。
9月の山は、どこへ行くかより、何をしに行くかで決まります。
この記事では、実際に9月に歩いた山から、5つの楽しみ方を提案します。
- ①紅葉|9月中旬から色づく山
- ②火山|森が途切れる山
- ③大展望|富士山が見える山
- ④岩稜|岩と鎖場の山
- ⑤縦走|連休に歩く長いルート
9月の山|北は秋、南はまだ夏
2021年の9月、フェリーにマイカーを載せて北海道へ行きました。
観光と登山の両方が目的で、車中泊で各地を巡りました。
夜は寒い日もありました。
9月14日に黒岳、15日に十勝岳から美瑛岳、16日に旭岳を歩きました。
黒岳と旭岳は、どちらも大雪山の山です。
大雪山は、日本でいちばん早く紅葉が始まる場所として知られています。

その10日前、9月4日には広島の武田山を歩いています。
標高410.5mの低山です。

この日はそこから近くの山をつないで、6時間ほど歩きました。
9月上旬の広島は、まだ夏の暑さでした。

北へ行けば紅葉。
広島の山は、まだ夏。
9月は、その両方が同時にある月です。
夏山から変わること
7月・8月の山と、9月の山では、いくつかのことが変わります。
| 夏山(7〜8月) | 9月 | |
|---|---|---|
| 高山植物 | 見頃 | 終盤 |
| 紅葉 | まだ | 北・標高の高い山から始まる |
| 日の入り | 遅い | 少しずつ早まる |
| 朝晩の冷え | 少ない | 標高が高いと冷える |
| 天気 | 夕立・雷雨 | 秋雨前線・台風 |
| 山小屋・交通 | 通常営業 | 営業終了が始まる |
特に感じるのが、日没の早さと、朝晩の冷え込みです。
何を着ていくかは、別の記事にまとめています。
▶関連記事:9月登山の服装は何を着る?|3枚重ねても寒かった私が足す「1枚」
このあと各テーマを紹介します。
まず表で3座を見せて、そのうち★をつけた山を詳しく書きます。
なお、私は2021年まで広島に住んでいました。
そのため、西日本の山もいくつか出てきます。
①紅葉|9月中旬から色づく山
| 山 | 歩いた日 | 時間/距離/のぼり | そのときの紅葉 |
|---|---|---|---|
| 大雪山・黒岳(北海道) | 2021年9月14日 | 2時間35分/2.6km/455m | 見頃 |
| ★大雪山・旭岳(北海道) | 2021年9月16日 | 6時間31分/11.8km/943m | 見頃 |
| 栗駒山(宮城・岩手・秋田) | 2022年9月25日 | 4時間49分/6.6km/529m | 色づき始め・ピーク前 |
2021年9月14日に歩いた黒岳の紅葉は、かなり色づいていました。
一方、翌年の2022年9月25日に歩いた栗駒山は、まだ色づきはじめ。

同じ9月でも、山域や標高、その年の天候によって紅葉の進み方はこれだけ違います。
紅葉の見頃は山ごとに違います。時期はこちらにまとめました。
▶関連記事:【2026年版】日本アルプスの紅葉はいつ?🍁 見頃早わかりカレンダー&秋登山の注意点
大雪山・旭岳|チングルマの穂と草紅葉
2021年9月16日。ロープウェイで姿見駅まで上がって、姿見の池から旭岳に登頂。
間宮岳、中岳温泉を経由して姿見駅へ周回するコースでした。

いちばん印象に残っているのは、中岳温泉を過ぎた木道沿いのチングルマです。
花はもう終わっていて穂になり、草紅葉の真っ盛り。
旭岳斜面の紅葉と相まって、紅色の絨毯が一面に敷き詰められたようで見事でした。

②火山|森が途切れる山
| 山 | 歩いた日 | 時間/距離/のぼり | 見どころ |
|---|---|---|---|
| ★御嶽山(長野・岐阜) | 2023年9月17日 | 5時間43分/9.3km/1,003m | 王滝口から剣ヶ峰へ |
| 立山・室堂(富山) | 2017年9月10日 | 10時間42分/9.6km/1,006m | 室堂平の火山地形 |
| 四阿山・根子岳(群馬・長野) | 2023年9月3日 | 6時間32分/9.9km/1,004m | 古い火山がつくった山容 |
高山植物が終わって、紅葉にはまだ早い。
そういう時期に、私がおもしろいと思っているのが火山です。
森が途切れて、いきなり岩と砂礫だけの世界になります。
※立山の地獄谷は2011年から立入禁止です。室堂から眺める形になります。
御嶽山|初めての王滝口
私が初めて御嶽山に登ったのは、2023年9月17日です。
王滝口の田の原から入って、剣ヶ峰まで歩きました。
登り始める前、田の原から山を見上げました。

噴火のことは知っていたので、身が引き締まる思いでした。
道中には遭難碑があり、噴火が決して遠い出来事ではないと感じました。
ヘルメットは持っていきました。
剣ヶ峰に着いたときは、素直にうれしかったです。

活火山に登るときは、登る前に確認することがあります。
- 噴火警戒レベル
- 立入規制の範囲
- 登山届の提出
- ヘルメットの携行
御嶽山では、王滝村が登山届の提出とヘルメットの着用をお願いしています。
私が歩いたのは2023年9月17日です。
登山できる範囲は、火山活動や時期によって変わります。
行く前に必ず最新の情報を確認してください。
十勝岳|2026年9月現在、山頂周辺は立入規制中
私は2021年9月に、十勝岳から美瑛岳を周回しました。
9時間13分、16.9kmの行程です。

2026年9月1日現在、十勝岳の噴火警戒レベルは2です。
62-2火口から概ね1.5kmの範囲が立入規制となっており、十勝岳山頂を目指すことはできません。
2026年8月6日には、ごく小規模な噴火も確認されました。
2021年に歩けた周回ルートを、2026年9月現在は同じようには歩けません。
同じ山でも、行けるかどうかは年によって変わります。
③大展望|富士山が見える山
| 山 | 歩いた日 | 時間/距離/のぼり | 見えたもの |
|---|---|---|---|
| ★笊ヶ岳(山梨・静岡) | 2025年9月14〜15日 | 18時間03分/20.7km/2,802m | 日の出と富士山 |
| ★富士見山(山梨) | 2022年9月30日 | 5時間00分/9.0km/1,137m | 富士山の初冠雪 |
| 雁ヶ腹摺山(山梨) | 2022年9月16日 | 3時間44分/6.8km/820m | 秀麗富嶽十二景 |
空気が澄んでくるのが9月です。
夏のあいだ雲に隠れがちだった富士山が、はっきり見えるようになります。
富士見山|初冠雪の日の富士山
2022年9月30日、車のラジオから富士山の初冠雪の便りが流れてきました。
甲府地方気象台が発表したのが、この日の朝8時。
前の晩に、富士山では雪が降ったそうです。
「こりゃあ山頂で見えるかな。」
そう期待して、登りました。

道中は所々ガレ気味で、踏み跡が薄いところもあります。
ピンクテープを頼りにいくと確実です。
この日は、人には誰にも会いませんでした。
代わりにカモシカに会って、びっくりしました(笑)

山頂から見た富士山は、うっすら白くなっていました。

笊ヶ岳|水場なしの急登
2025年9月14日から1泊2日。
山梨百名山の四天王と呼ばれる山のひとつです。

テント泊で登りましたが、途中に水場がありません。
水を入れたザックは14.5kgになりました。
それを背負って、布引山までほぼずっと急登です。

のぼりは2,802m、行動時間は18時間03分。
9月に歩いた山では、いちばんきつい行程でした。

▶関連記事:【山梨百名山】笊ヶ岳・1泊2日テント泊|老平から挑んだ体力限界の登山記録
④岩稜|岩と鎖場の山
| 山 | 歩いた日 | 時間/距離/のぼり | 見どころ |
|---|---|---|---|
| ★鳳凰三山(山梨) | 2018年9月16日 | 14時間41分/25.6km/2,606m | 地蔵岳のオベリスク |
| 奥穂高岳(長野・岐阜) | 2020年9月27〜29日 | 19時間02分/38.7km/2,119m | 涸沢から穂高の岩稜へ |
| 石鎚山(愛媛) | 2019年9月15日 | 6時間40分/11.0km/1,073m | 鎖場 |
暑い時期の岩場は、それだけで消耗します。
真夏より暑さで消耗しにくい日が増えるのも9月です。
ただし、標高の高い岩稜では朝晩の冷えや日没の早さに注意が必要です。
奥穂高岳の3日間は、別の記事に書きました。
▶関連記事:【北アルプス登山記】涸沢カールの紅葉と奥穂高岳|横尾テント泊で満喫する3日間
鳳凰三山|長男と歩いた25.6km
2018年9月16日、夜叉神峠から入って、日帰りで歩きました。
14時間41分、25.6km、のぼりは2,606mです。
地蔵岳のオベリスクを見たときは、思わず「すご!」と声が出ました。
自然の造形美です。

ただ、今から思えば無茶な山行でした。
今なら、同じ計画は立てないと思います。
初めての南アルプスで、広島からの遠征。
しかも長男(当時小学生)と2人です。

その年の8月には、長男と富士山に登っていました。
下山後、長男に言われました。
「今までで一番疲れた(笑)」
⑤縦走|連休に歩く長いルート
| 山 | 歩いた日 | 時間/距離/のぼり | 形態 |
|---|---|---|---|
| ★唐松岳〜五竜岳(長野・富山) | 2020年9月20〜21日 | 14時間59分/13.1km/1,816m | 1泊2日の縦走 |
| 仙丈ヶ岳・伊那荒倉岳(長野・山梨) | 2019年9月21〜22日 | 7時間10分/11.0km/1,203m | 1泊2日 |
| 太郎山・薬師岳(富山) | 2018年9月28〜29日 | 15時間17分/24.4km/1,999m | 1泊2日 |
9月には連休があります。
日帰りでは届かない山に、手が届く時期です。
2026年のシルバーウィーク|9月19日〜23日の5連休
2026年は、9月19日(土)から23日(水)まで5連休になります。
21日が敬老の日、22日が祝日法による休日、23日が秋分の日です。
5日あれば、1泊2日の縦走にも、2泊3日の遠征にも行けます。
私も連休は泊まりで歩いていることが多く、2020年9月20日から唐松岳〜五竜岳を歩いています。

もちろん日帰りでも十分に楽しめます。
連休に日帰りで歩いた山だと、氷ノ山(2021年9月21日)、三瓶山(2017年9月23日)、下蒜山・中蒜山(2018年9月23日)あたりです。
唐松岳〜五竜岳|連休の稜線テント泊
2020年9月20日、八方から入って、唐松岳頂上山荘のテント場に泊まりました。
下山は遠見尾根です。
連休だけあって、八方池までは超賑やかでした。

でも唐松岳に向かうと、人はグッと減ります。
それでもテントは割と多かったです。

五竜へ向かう牛首の岩場は、早朝に通過しました。
真っ暗で景色が見えないので、逆に怖さはなかったです。

番外|山の成り立ちと歴史
2025年9月27日、金峰山に登りました。
選んだのは御嶽古道、表参道と呼ばれる道です。
この道が復活したことを前の年に知って、歩いてみたかったんです。
ただ、実際に歩いてみると、昔の道の痕跡はほとんど残っていませんでした。
見つけたのは小屋跡くらいです。

看板も少ない道でした。
それでも、ここが昔の表参道だと知って歩くのと、知らずに歩くのとでは、たぶん違います。

この日の記録は、別の記事に書きました。
▶関連記事:【日本百名山】金峰山・御嶽古道ルート|静かな古道を歩く登山記録
まとめ|行き先より、目的
9月の山は、どこへ行くかより、何をしに行くかで決まります。
紅葉を見に行く。
火山を歩く。
富士山を見る。
岩を登る。
連休で長く歩く。
目的を先に決めると、9月は行きたい山がたくさん出てきます。
私の今年の9月は、まず浅間山です。
噴火警戒レベルが下がって、前掛山まで登れるようになりました。
シルバーウィークは、聖岳から光岳へ2泊3日か、双六岳から槍ヶ岳、南岳へ2泊3日か。
どちらもテント泊で考えています。

あとは天気次第です。
天気が悪ければ、行き先を変えることになると思います。
皆さんも先ほど紹介した「5つのテーマ」で9月の登山を楽しんでください!


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