初めてのテント泊|テント場到着後の流れと過ごし方

登山初心者

④ 寝床づくり|夜に慌てないための準備

テント設営後はマットを敷きます
テント設営後はマットを敷きます

設営が終わったら、テントの中に荷物を出して、暮らせる状態にします。

マットを敷いて、シュラフを広げて、あとは荷物の整理整頓。

シュラフは早めに広げるのがポイントです。

ダウンは圧縮されたままだと保温力が落ちるので、寝るまでの数時間で膨らませておきます。

これだけで、夜の暖かさが変わります。

そして、夜に使うものは先に定位置を決めます。

  • ヘッドライト:テントのポケット
  • 防寒着:すぐ着られる場所
  • 水と行動食:手の届く場所
  • スマホ・モバイルバッテリー:シュラフの中か枕元

暗くなってから「ヘッドライトどこだっけ?」となるのが、テント泊あるあるです。

私は、ヘッドライトだけは必ずテントのポケットに入れるようにしています。

夜中にトイレへ行くとき、これがすぐ取れるかどうかで気持ちがまったく違います。

⑤ 水場・トイレ・山小屋の確認

テントができたら、明るいうちに周りを見て回ります。

暗くなってから初めてトイレを探すのは、けっこう大変です。

場所確認しておくこと
水場位置/利用できる時間/無料か有料か/水の出方
トイレ位置/チップの有無(100円玉を数枚)/テントからのルート
山小屋・売店営業時間/買えるもの(飲み物・軽食・ビール)

水が有料のテント場もあります。

これまでに私が水を買ったのは、北アルプスの種池山荘や唐松岳頂上山荘です。

無料で汲めるところが多いですが、小銭は持っておくと安心です。

夏の終わりや雨の少ない年は、水が細くなっていることもあります。

「現地で汲めるから大丈夫」と思い込まず、翌日の水は早めに確保しておきましょう。

7月末に泊まった五色ヶ原のテント場では、当日は問題なく水を汲めました。

でも翌朝には、枯れていました。

こういうこともあります。

前日のうちに汲んでおけばよかったです。

五色ヶ原テント場 この水が翌日に止まっていました😭
五色ヶ原テント場 この水が翌日に止まっていました😭

トイレまでのルートは、明るいうちに一度歩いておくのがおすすめです。

夜は景色が変わるので、思っている以上に分かりにくくなります。

⑥ 着替え|ボディシートとドライシャンプー

ここからが、ようやくのんびりタイムです。

でもその前に、着替えだけは済ませてしまいます。

汗をかいたシャツのまま座っていると、体が一気に冷えます。

標高の高いテント場では、夏でも夕方から気温が下がります。

汗で濡れた服は着替えて、乾いた服の上に防寒着を着ます。

このとき、ボディシートで汗を拭いておきましょう。

テント泊では、当たり前ですがお風呂に入れません。

汗が肌に残ったままだと、においも気になりますし、体も冷えます。

髪はドライシャンプーをして、タオルで拭き取ります。

水のいらないタイプなら、貴重な水を使わずに済みます。

どちらも小さくて軽いので、荷物としてはほとんど気になりません。

あとは水を飲んで、行動食が残っていれば少し食べておきましょう。

歩き終わったあとは、自分で思っているより脱水しています。

ここまでできたら、今日やるべきことはだいたい終わりです。

着替えと汗拭きの手順を4つに分けて示したイラスト
着替えと汗拭きの流れ

テント場での過ごし方|何もしない時間

春のテント場でコーヒー
春のテント場でコーヒー

設営が終わってから夕食までの数時間が、テント泊でいちばん贅沢な時間です。

やることは、特にありません。

日帰り登山だと、山頂に着いても長くはいられません。

写真を撮って、少し休んで、すぐ下山です。

テント泊は、そこにずっといられます。

雲が動いていくのを、最初から最後まで眺めていられます。

この何もしない時間が、テント泊の楽しさそのものだと思っています。

とはいえ、何をして過ごすか想像しにくいと思うので、私がよくやっていることを紹介します。

周辺の散策

早く着いた日は、テント場の周りを歩きに行きます。

16時までに戻れる範囲であれば、近くのピークや池まで足を伸ばします。

蝶ヶ岳のテント場に泊まったときは、崩沢山(くずれさわやま)と妖精ノ池まで歩きました。

崩沢山は、蝶ヶ岳から大滝山へ向かう縦走路の途中にあるピークです。

荷物を置いて、水とレインウェアだけ持って歩く時間は、驚くほど身軽です。

重いザックを背負って登ってきた直後だと、体がふっと軽くなったように感じます。

妖精ノ池 周りには花がたくさん
妖精ノ池 周りには花がたくさん

左からハクサンイチゲ、シナノキンバイ、キヌガサソウ。

イヤホンと音楽

スマホとイヤホンがあると、過ごし方の幅が広がります。

景色を眺めながら、好きな音楽を流す。

それだけで、テント場の時間が自分のものになります。

スピーカーで流すと周りに全部聞こえてしまうので、テント場ではイヤホンで。

明日の行程確認

泊まるエリアの「山と高原地図」を1枚持っていきます。

明日歩くルートを、コースタイムを見ながら明日の計画の確認です。

スマホの地図でもできますが、紙のほうが全体を見渡せます。

まだ行ったことのない山の計画を妄想するも良し。

スマホの電池を使わずに済むのも、地味に効きます。

山の小説を1冊

文庫本を1冊だけ持っていくのもおすすめです。

特に、今いるエリアが舞台の小説だと、読む時間がまったく違うものになります。

木曽駒ヶ岳なら、新田次郎の「聖職の碑(せいしょくのいしぶみ)」。

大正時代に、この山で実際に起きた学校集団の遭難が題材になっています。

歩いてきたルートの地名が、そのまま出てきます。

エリア小説著者
木曽駒ヶ岳(中央アルプス)聖職の碑新田次郎
槍ヶ岳槍ヶ岳開山新田次郎
白馬岳強力伝新田次郎
上高地・涸沢・穂高氷壁井上靖

文庫本1冊なら、重さもたかが知れています。

その土地の話を、その土地で読む。

テント泊だからできる、贅沢な時間の使い方だと思います。

山と高原地図と山岳小説が並んだ本棚
私の本棚 山と高原地図と、山の小説たち
テント場での過ごし方4つを示したイラスト
テント場での過ごし方 4つ

雨のテント場|濡らさない工夫と、やめる判断

阿曽原温泉のテント場 この後、雨が
阿曽原温泉のテント場 この後、雨が。。

テント場に着いてから雨が降り出すことは、珍しくありません。

雨の日は、過ごし方も、そのあとの判断も変わります。

テント泊で本当に嫌なのは、寒さでも重さでもなく、濡れることです。

ここは失敗から学んだので、正直に書きます。

雨の日は、読書か昼酒

早く着いても雨が降っていると、散策はできません。

やることは、読書か、山小屋でお酒を買い込んで昼間から飲むか。

正直、これくらいしかありません。

八ヶ岳の赤岳鉱泉に泊まったときが、まさにそれでした。

外は雨。

赤岳鉱泉でワインを買って、昼間から飲んでいました。

こういう日のために、文庫本が1冊あると本当に助かります。

濡れて困るものは、ザックの中で防水する

大雨でザックの中まで濡れると、荷物が全部だめになります。

シュラフが濡れれば、その夜は眠れません。

私が使っているのは、シートゥーサミットの20Lの防水スタッフサックです。

ザックの中にこれを入れて、着替えとシュラフはその中に放り込みます。

ザックカバーだけでは、背中側や隙間から水が入ります。

この方法にしてから、中身が濡れたことは一度もありません。

シートゥーサミットの20L防水スタッフサック
シートゥーサミットの防水スタッフサック(20L) この中に着替えとシュラフを入れます

▶関連記事:梅雨登山の雨対策完全ガイド|初心者が失敗しない装備・歩き方・チェックリスト【2026年版】

ずぶ濡れなら、山小屋に切り替える

奥劔を縦走したときのことです。

室堂から入って、剱沢雪渓を抜け、池ノ平小屋から阿曽原温泉小屋を経て、欅平まで下りるルートです。

この山行で、雨にやられてずぶ濡れになりました。

池ノ平小屋でテントを諦めて、小屋泊に切り替えました。

小屋も空いていて、救われました。

靴やザック、シャツまで乾かしてもらえたのが本当にありがたかったです。

結局、池ノ平小屋にまる1日停滞して、2泊することになりました。

濡れた装備のまま無理にテントで寝ると、体力を削るだけです。

テント泊にこだわらず、山小屋に切り替える判断も持っておくと、行動の幅が広がります。

小屋泊のぶんの現金は、いつも余分に持っていくようにしています。

小屋に二泊。翌日、雨は上がりました
小屋に二泊。翌日、雨は上がりました
連泊しなかったら見れなかった絶景
連泊しなかったら見れなかった絶景

▶関連記事:山小屋泊とテント泊どっちがおすすめ?費用・荷物・快適さの違いを比較

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